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中国の民主化は世界的課題である
「デモ隊の一部」の発想はなかなか興味深いものがある。直接共産党や政府への攻撃はしにくいので、動かざるを得ないように仕向けるワケだ。
asahi.comより そんなのアリ? 中国の詐欺騒動、日本巻き添え この屈折した経路(外国を巻き込むこと)に、今の中国の人々の人権や政治的・社会的権利を巡る状況が反映している。 そして、そうした権利を得るための制度設計としてデモクラシーの導入が考えられるわけだが、それについて思うところを少しだけ書いておく。 私は中国の政治的民主化や人権状況の改善は、日本や世界経済にとってもかなり重要なイシューだと考えている。 まず、状況認識を述べる。急速に上昇している経済状況を背景に、今の中国ではそれほど政治に批判的でなく、政治との距離をとりながら生活の改善を享受している層があると思われるが、そう遠くない未来(20年以内)に、これだけの急成長は低成長に転じると想定している。欧米諸国の大資本と中国の国内経済の水準(物価、労働力の価格、国内資本の大きさ)の差が小さくなると外から流入している資本の重要性が相対的に下がるからだ。 その時点でどれだけ政治が民主化しているかということは、結構重要だと思っている。少数者が実質的な支配権を持つほど、政策の極端な転換が可能になるが、世界の中に占める中国の役割が大きくなればなるほど、そうした政策転換がもたらす影響も大きくなる。今のままの体制が継続すると、世界各国がブッシュに翻弄されたように中国共産党に翻弄されることになりかねない。 中国の場合、政府の上に党があり、党が軍事力を握っているという体制であるために、政治体制を欧米にあるような形のデモクラシーにすることは難しい。仮に多数の政党が存在しても(今も一応あるのだが…)、共産党が負けそうになったら暴力にものを言わせて権力を守ることができてしまう体制だからだ。ただ、そうした限界は踏まえつつも、当面は、人権外交のような形での外圧や香港の人権団体などをエンパワメントして監視を強めること、村落レベルで行われている選挙をさらに高いレベルまで広げていくことなどを通して、少しずつ状況を改善するしかないのだろう、と思っている。 このほか、中国の労働者の権利を拡張し、労働者の処遇をより高めることや人民元を元高にすることは、「安い労働力」を売り物にすることで、他国の労働状況をも改善から阻害している状況を改善する効果がある。もちろん、中国の労働賃金が上がれば、他のもっと安い国に資本は流れるだろうが、労働市場の規模という点で中国に匹敵するところは他にはないから、全く効果がないわけではないと思われる。
by zarathustra1883
| 2007-11-23 23:13
| 中国
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