ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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「国と地方の債務残高が1千兆円を超えた段階で民主党政権は終わりだ」

小泉元首相「鳩山政権は参院選までもたない」

2009年12月5日3時1分

 小泉純一郎元首相は4日夜、自民党の山崎拓元幹事長、二階俊博幹事長代理らと都内で会食し、「鳩山政権は(来夏の)参院選までもたない」と予言した。自民党についても「今は隠忍自重のときだ」と突き放した。

 出席者によると、小泉氏は米軍普天間飛行場の移設問題で迷走する鳩山政権を「今のような朝令暮改では日米関係は完全に不信状態になる」と批判。歳出がふくらむ来年度予算案の概算要求にも「国と地方の債務残高が1千兆円を超えた段階で民主党政権は終わりだ」と指摘した。

 郵政株式売却凍結法が同日成立したことにも「日本郵政株を民間に放出しないと財政再建はできない。自民党が政権奪還してから貴重な財源としよう」とこだわりを見せた。ただ、自民党の現状についても「今はポストが赤いのも電信柱が高いのも自民党が全部悪いという世論だ。2、3年雌伏のときを過ごしたらいい」と語ったという。(山下剛)


asahi.comより。

私は小泉を戦後最悪の首相の一人と見なしているが、彼の権力闘争における見通しの良さだけは評価している。権力闘争に長けているということだけだから、政治家として権力を握ることはうまいということだ。本来、政治家とは権力を使うのがうまくないと行けないのだが。

それはそれとして、彼の語った「国と地方の債務残高が1千兆円を超えた段階で民主党政権は終わりだ」というコメントはなかなか正鵠を射ている。1千兆円という数字自体には深い意味はないと思うが、「民主党政権が財政を悪化させた」ということを明白に示すために象徴的な数字として批判する側が使うことができるようになるからだ。

無駄をなくせば行政の効率が良くなって市民の生活も良くなるという漠然としたイメージを抱いている人が多いように思うが、「無駄をなくする」と、様々な分野で生活に困る人が次々と発生し、それへの財政的な手当てが行われるとさらに財政が悪化するという悪循環。自分の腕をわざと切り落とした後、金をかけて腕をくっつける手術をし、くっついた腕は切り落とす前より機能が悪化している、というような馬鹿げた面が多々見られる。1千兆円に達したときに批判者が次々と民主党への批判を仕掛けたとき、それに対処することは民主党には恐らくできないだろう。

民主党が政権を奪取してから10年程度した頃には、経済・財政的に極右(極端な新自由主義)の政治が行われるのではないかと私は以前から予感していたが、小泉もそれを狙っているかのようであり不気味である。
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by zarathustra1883 | 2009-12-06 23:23 | 政治ニュース

扶養控除廃止の際に検討すべきこととか

扶養控除の廃止、成年部分は議論を継続 政府税調

2009年12月4日22時37分

 政府税制調査会は4日、所得税の扶養控除について、「子ども手当」の対象となる15歳以下の部分を所得税、住民税とも廃止することで合意した。しかし、23~69歳を対象にした部分では反対論が相次ぎ、議論を継続する。たばこ税は来年度、小幅に引き上げる方針を決めた。

 扶養控除(控除額38万円)の23歳以上の部分については古本伸一郎財務政務官が、障害者らを対象に、新たな税額控除を設けて廃止すると提案した。小川淳也総務政務官も、地方税である住民税の扶養控除(同33万円)を廃止する考えを示した。

 これに対し、社民党の阿部知子政審会長は、子ども手当の恩恵がない世代の控除の廃止は低所得者層に重い税負担となるとして、「控除の廃止に安易に踏み込むべきではない」と主張。渡辺周総務副大臣も同調し、議論を続けることになった。

 高校・大学生世代を対象とする特定扶養控除(63万円)について税調は10年度は存続させる方針だが、中川正春文部科学副大臣が高校実質無償化を実現する財源として圧縮の検討を提起した。

 たばこ税については、喫煙率を下げる「健康目的」のもと、中長期的に引き上げていくことで合意し、来年度の小幅な引き上げ方針を確認した。上げ幅は関係閣僚らの判断に委ねる。


asahi.comより。

課税最低限が下がることに伴う効果を考慮に入れながら行う必要があるが、その点に記事の上では言及がない。実際にそうした議論がなされていないのなら、まともな見識がない人間達が議論しているということになるから、不適切だろう。税調の事務局などをやっている官僚は当然気づいているだろうが。

特定扶養控除を高校実質無償化に伴い廃止するのはまぁ、正論だろう。問題はその程度の増税では支出増が賄えないことである。

子ども手当の恩恵がない世代への増税になるから扶養控除をなくすることに反対するというのは、無理がある理屈だ。子ども手当という歳出が増える分、必ず歳入も増やさなければならないが、子ども手当てが当たる人たちだけから負担を増やすのなら全く意味がないからだ。もっとも、扶養控除についてはなくなることで課税最低限がかなり下がるので、税外の負担増がかなり出てくるから、子ども手当ての財源として十分でないとしても、他の部分での負担増によって、子ども手当てとは別の部分の財政運営が良好になれば、巡り巡って一般会計の財政運営にもプラスになる可能性はないわけではない。いずれにせよ、よく計算して行なわないと大きな過ちを犯すことになる。
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by zarathustra1883 | 2009-12-06 23:11 | 政治ニュース

増税は選挙の後で…

子ども手当支給は「来年6月後半」 平野官房長官

10月11日19時2分配信 産経新聞

 平野博文官房長官は11日、大阪府交野市内で記者団に対し、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)に掲げた子ども手当について、「(来年)6月後半にはできるような制度設計にしないといけない」と述べ、来夏の参院選直前に最初の支給を行う意向を示した。支給のための関連法案は「(来年)4月までに処理すれば、マニフェストと整合性はとれる。通常国会になる」と指摘した。臨時国会提出は見送る。

 平野氏は、同市で行われた地元支持者への国政報告で、揮発油(ガソリン)税などの暫定税率廃止について「必ず(来年)4月から実行すべく関連法案を含めて精査している」と語り、来年度から廃止する方針を示した。臨時国会の会期については「12月いっぱいは予算編成の時間軸をちょうだいしたい」と述べ、与党に11月末の閉会を提案していることを明らかにした。

最終更新:10月11日19時33分

産経新聞


選挙前は減税と給付だけ与えておき、増税は選挙の後ってことのようだな。

扶養控除の廃止と子ども手当ての給付がセットになるのは悪いことではない。ただ、給付の増分の方が増税の幅より大きいのであれば残りの財源が問題となる。

暫定税率を廃止するということは道路関連の公共事業を激減させるということでなければ釣り合いが取れないことになるように思う。そうなれば、土木や建設業界の「末端」から失業者がかなり出ることになる。こうした人たちの大部分は、ITとか金融関連はおろか事務系の仕事ができる人たちではないし、介護職などができるわけでもない。それらの人々はどうやって食いつないでいくのか?

民主党の政策からはそうした「痛み」をどのように緩和するかが全く見えてこない。この点に関しては自民党に劣るようにさえ思えてならない。

むしろ、こうした「局所的に痛みをもたらすもの」である「歳出削減による財源捻出」ではなく、遍く、それも基本的には利益のあるところから財源を調達する方向での増税による財源確保こそ、望ましい政策である。

もっとも、「歳出削減による財源捻出」を掲げ続ける限り、論理的には(採取つげゼロになるまで)終わりはなく、適切な増税を行うことはできないだろう。増税するという話になった場合には必ず「まだ切れるところ(無駄!)がある」という話が持ち出されることは目に見えているから。

(それは自分が不利益を被らない人にとっては、彼の利益を中心として考える限り、別の分野の歳出は「無駄」以外の何物でもないだろうよ。だから、常にこの「無駄をなくせ」という声はなくなることはないのだ。しかし、全体をトータルで考えて調整するのが政治・政府の仕事である。つまり、ある人にとって無駄であっても、別の人には無駄ではないならば、それを比較考量するのが政治・政府の仕事だろう。政治・政府が「とにかく無駄をなくして財源を捻出する」と言い張る限り、その機能を期待することは著しく困難である。)

「歳出削減による財源捻出」ではなく、最初から増税(累進的な増税を軸とする増税)で賄うと言い切るくらいの勇気と説得力(←これはポイントである!)を持つ政党が出現する日はいつになるのか?
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by zarathustra1883 | 2009-10-12 03:03 | 経済・財政

財源についてのメモ

生活保護の母子加算、11月復活も困難 財源確保遅れる
2009年10月6日

 民主党が早期実現を目指していた生活保護の母子加算復活は、財源確保の遅れで11月の実現も困難な情勢となってきた。厚生労働相は6日、財源をめぐり財務相と協議後、記者団に「11月支給がまだ明確にみえていない」述べた。(共同通信)

マニフェスト作成時点で財源を明確にしていなかったことがこういう形で現れるわけだ。

そもそも、一般世帯の収入が減っている中でなぜ生活保護世帯の、それも「ひとり親世帯」ばかりを優遇する必要があるのかが私には理解できない。子どもがいる世帯であれば、子どもの養育に費用がかかることはわかるし、今流行の「子育て支援」という名目は立つだろう。しかし、今後、「子ども手当て」が創設される予定になっているのに、どうして生活保護世帯だけさらに加算するのか?また、母子加算がなくなった後、生活保護制度では「ひとり親世帯就労促進費」や「学習支援費」といった費目を設けて相応の手当てをしてきており、今回の母子加算復活はこれらとの整合性や関係の整理の方向性などもまだ全く聞こえてこないし、普通のメディアではこうしたものがあることすら報道を目にしていない。(父親の収入が減っていく中で、こんなにひとり親世帯を優遇したら「偽装離婚」で妻と子どもだけ生活保護を受けさせる世帯が増える危険性は高い。

10月や11月から復活させるつもりだったらしいが、厚生労働省が決定した後、都道府県に通知し、さらにそれが市町村に通知されて、それに基づいて現場(都道府県と市町村)がシステム改修などを行って初めて実現できるということを考えると、たったの2-3ヶ月でできる話であるとは私には思われない。最低でも来年度からなどとすべきであり、各項目との整合性や整理の仕方などももっと詳細に議論するべきではないのか?

公共事業を大幅に削減して福祉に充てるのは一見悪くないし、私も総論賛成である。しかし、公共事業で生活が初めて成り立つという人々もおり、私が知る限り、その末端の人々は生活保護と同等かそれ以下のレベルの生活をしており、公共事業を停止することで彼らの仕事が減ることで生活保護受給世帯が増え、生活保護の基準額の増額と生活保護受給者の両方の増加によりさらに歳出が必要になるという悪循環になる。

現政権のこうした政策よりは、公共事業等による景気対策は短期から中期的なものとして手当てしつつ、産業の構造転換(公共事業の内容をより効果的な分野に振り変えつつも、土建業の末端の人々ができる仕事を創出する)を行ないながら低スキル・低学歴等の人々の生活維持可能性を維持し、さらに、累進的な方向での増税により歳入を増やし、それによって福祉を中長期的な視点で拡充するという方向性が正しいように思われる。

(現在の1ドル89円前後という円高もかなり厳しい情勢であり、対応が必要であると考えるが、あまり明確なものが聞こえてこない。現政権には経済政策が欠けている。「福祉の拡充により消費を拡大することが景気対策」というような考え方は、ネオリベを批判する際に対極にある考え方を提示するという点で意味があり、私も自分で述べたこともあるし、基本的には支持してきた考え方であるが、それ以外の経済政策を欠いた状態でこればかりを経済政策であると豪語するようでは論外である。)

ちなみに、「無駄遣い」をなくすることで財源を確保する、というフレーズがやたらとテレビや新聞をにぎわせているが、ある歳出が「無駄」であるかどうかを決める基準が明確でない限り、何とでも言えてしまうのであり、内容を踏まえずに一律に負の価値を負荷したレッテルを貼ることになる。この意味で、この言葉は政策を語る上では「不適切な言葉」であり、不用意に使うべきものではない。
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by zarathustra1883 | 2009-10-07 18:46 | 経済・財政

公務員のボーナス削減についての覚書

臨時引き下げ、1日にも勧告へ=公務員ボーナス-人事院

4月29日2時33分配信 時事通信

 人事院は28日、急激な景気悪化により民間企業の夏季ボーナスが大幅な引き下げとなる見通しとなったことを受け、国家公務員の今夏のボーナスについて5 月1日にも臨時の引き下げ勧告を政府などに行う方針を固めた。6月に支給予定の夏季ボーナスは月給の2.15カ月分で、減額幅は緊急調査結果などを基に最大で0.30カ月分となる見通し。 

最終更新:4月29日3時11分
時事通信


私は「時流に反して」公務員バッシングに対して批判的に対抗するスタンスであるが、この対応に関しては「微妙」な立ち位置にいる。

民間企業のボーナスが大幅に削減になっていることと、公務員給与が民間企業の給与に連動して決まるというルールからすれば、今回の引下げは理解できないことはない。

また、財政的に見ると、歳出の大幅な拡大がなされている時に多少なりとも構造的な歳出削減要因としても理解できないことはない。

ただ、安易に歳出削減の手段として公務員給与を利用するという点は批判しなければなるまい。実際、90年代以降20年間にわたり拡大してきた財政赤字は公務員給与とはほとんどまったくというほど関係がないのだから、赤字拡大の原因に対応することなく、そのツケを公務員給与に回すというのは、問題の解決にならないだけでなく、問題の解決を阻害する要因にすらなりうるからである。(というか、すでにそうなっているのではないか。)

高齢化が進むことによって歳出は増えるのは確実であるが、これが財政面で効いてきたのは、21世紀になってからと考えてよい。90年代の財政赤字の多くはハコモノが目立つ公共事業が次々行われたにもかかわらず減税を行ったということである。公共事業そのものは悪ではない。よりよい公共事業は可能だったが、政策決定の仕組みからしてあのような形になってしまった。

だから、政策決定の過程を変えること(補助金を地方政府が利用する際、中央政府による干渉や誘導を減らすことなど)と、歳出削減を後に補填しうるような歳入増大のための仕組みを制度的にビルトインしておくことは、最低限必要なのである。

しかし、こうしたことすらされていない中で、ほとんど「やっかみ」とも言える感情論に便乗して、公務員給与を財政削減の手段とするやり方には反対である。

もう一つ気になることは、「じゃあ、民間のボーナスが元に戻ったら公務員のボーナスも、今回の対応と同じくらい迅速に上げるのか?」ということである。これがなされるならば、かなり妥当な調整であると考えるが、恐らく、これが迅速になされる可能性は低いだろう。そうだとすれば、公務員のボーナス削減は単なる歳出抑制のための手段でしかないことになる。

そして、公務員のボーナス削減は中小企業のボーナスの目安とする基準の低下をももたらすことになり、中長期的には民間の給与総額の抑制にも繋がるのであり、それは昨今しばしば言われる需要喚起を根本的に阻害する構造的要因の一つである、という視点は常に持たなければならない。

総括的に結論を言えば、短期的かつ比較的狭い視野で考える限り、今回の措置は正しいが、中長期的あるいは比較的広い視野から考えれば、今回の措置は妥当性を欠く可能性が非常に高い、ということになろうか。
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by zarathustra1883 | 2009-04-29 13:48 | 政治ニュース

定額給付金についての覚書

定額給付金は財政政策としては無意味ではないのだが、金額が少ないことが問題である。

新しい買い物ではなく日用品に消えてしまう場合がかなりあるということがしばしば報道されているが、それはその通りであろう。それでも新規の消費に全く繋がらないのではない限り、つまり、少しでも市場での金の流通速度が上がるのであれば意味が全くないとは言えない。

ただ、効果を挙げるためにはもっと金額を増やす必要があるだろう。例えば一人5万円くらいでもよい。一人に対して5万円の給付がなされれば、それを生活費に充てる場合、一ヶ月で全て使い切ることは難しいだろう(もちろん、給料や年金などに一切手をつけないのならば、使い切るだろうが)。こうした給付金は、そのようになって初めて、景気対策としての効果が上がってくるのである。

投入される金額がある閾値を超えると、景気対策としての効果が急激に上がるポイントが――これは一つとは限らない――あるはずである。その閾値以上の金額を給付すれば、景気対策としての意味がそれなりに出てくる。もちろん、お金は他の多くの財と異なり、いくらでも保存がきくという性質があるから、それでもタンス預金や銀行預金として退蔵されることはあるかも知れないが、それでも経済効果はゼロではない。

もちろん、この政策を実行するためには財政的な赤字が一時的に膨らむことが問題だし、後日税金としてこれが回収されることになるのだが、税として徴収を行うにしても、それを回収できるような租税体系になっていないところに問題がある。景気が回復し、企業や労働者にある程度の儲けが出ているときに不況期の歳出拡大を補うことが出来なければならないのだが、日本の税制はそのようになっていない。税率が過度にフラット化している、すなわち累進的な構造になっていないからである。

ちなみに、給付金で金が出ても後で消費税が増額されるから意味がないという類の意見はおかしい。この発想の中には市場が介在していない。冷静な判断を欠く感情的な論であるとしか思えない。

また、少し前にはてブがたくさんつけられていた、あるブログのエントリーで「累進性を高める形での所得税の増税は難しい」という主旨の意見を見たのだが、その根拠は日本の場合、納税者のほとんどが最低税率のブラケットにいるからだという。そのブログ主の考えでは、累進課税を強化してもほんの僅かな人にしか増税にならないというのである。だから、所得税の改革はサラリーマン増税にならざるを得ないとその人は主張していた。

一見もっともらしいが、それは重要な論点が抜けているからである。すなわち、「分離課税を撤廃せよ」という基本的な論点が抜けているのである。高所得者の高所得たる所以である種類の所得は通常の給与所得と分離されて極端に低い税率で課税されているという実態をその人は見ていないように思われる。(累進性を高めろと私が言う場合、当然のこととして、この低い税率が適用されているものを通常の所得と一本化することが含まれている。)これを総合課税に統合してしまえば、上位の税率ブラケットに移行する人の割合はそれなりに増えるのである。

また、「サラリーマン」を狙い撃ちにすることは政治的に不可能であるという理由でサラリーマン増税になるから所得税増税は難しいと思うとそのエントリーには書かれているが、サラリーマンを狙い撃ちにしなくとも、社会保険料控除などの所得控除を廃止縮小するなどの方法でも課税最低限を実質的に引き下げて課税される人の範囲を広げることができるのである。

このように、そのブログで語られていた内容には問題が多いのだが、それでも、そのエントリーを読んで少し参考になったのは、確かに所得税を税制改革の主眼においた場合、給与所得控除は最も狙われやすい位置にあるという論点である。一般庶民は税に対する知識が極めて低いので、いい加減な議論がまかり通る傾向が強いから、「正しい議論」よりも「視聴者≒納税者にとって都合が良いと感覚的に感じられる言説」が受け入れられやすい。これは租税教育をきちんと行っていないことのツケでもある。
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by zarathustra1883 | 2009-03-06 22:09 | 今日のひとこと

日本の財政構造について、橋本痴事も少しは理解してきたようだ。

「国、暴力団以上にえげつない」橋下知事 事業負担金で

2008年11月28日23時27分

 大阪府の橋下徹知事は28日、府北部地域の7市長との懇談会で、国の公共事業に都道府県が負担金を支出していることについて「国があって、上納させられて、それこそ暴力団組織以上のえげつなさだ。これを変えないと何もやろうと思うことができない」と批判した。

 08年度の府の建設事業費約2千億円のうち、国事業への負担金は約400億円。橋下知事は「国の事業は国の責任と金でやってほしい」と持論を展開。「(国に)上納させられて、がんじがらめにしばられている。国に払う分が先に固められているのが納得いかない」とまくし立てた。


橋本痴事さんよ。今頃気づいたのかい?知事なんてやらなくてもそのくらいのことは少し勉強すりゃ分かることなんだがね。中央政府の公共事業に地方政府の財政が動員されているわけなんだが、だから、かつて3000もあり、現在も1800くらいある自治体は「どこも揃って」財政が厳しいんだよ。財政の硬直性は中央政府の政策と行政の法的構造の賜物なの。

で、財政支出によるサービス給付の主体は、日本の場合、中央政府でなく地方政府だから、財政出動しようと思っても実行部隊がいなくなっているのが日本の行政の実情さ。気づかないよりマシだが、気づくのが遅すぎ。

ただ、中央政府の公共事業でも自治体負担分があることについては、それなりの合理性もある。その地方に事業が行われることによって、その地方にメリットが生じることがあるからである。この部分のバランスは一概に言うことができないので、橋本の単純すぎる意見(中央政府が行う事業は中央政府だけが負担せよという意見)にそのまま同調するわけにも行かないのである。

最近、橋本は中央政府に財政負担を押し戻そうとしている傾向がある。これは反新自由主義の風潮がある程度強くなってきたことに対する彼なりの対応という面があるような気がする。もちろん、法人課税の大幅減収が見込まれる大阪府が少しでも財政負担を減らすための方策というのが直接の理由なんだろうが。
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by zarathustra1883 | 2008-12-01 02:48 | 経済・財政

実のある財源論争を望む

自公が合同ブロック大会=小沢氏の地元に乗り込む-盛岡

7月13日18時5分配信 時事通信

 自民、公明両党は13日午後、東北ブロック大会を盛岡市で開いた。両党がこうした集会を共催するのは初めて。民主党の小沢一郎代表の地元・岩手県で与党の結束をアピールする狙いがある。
 自民党東北ブロック両院議員会長の加藤紘一元幹事長はあいさつで「絵空事で財源の根拠のない政策を振り回す民主党が国民に受けるとは思えない。そんな党に政権を任せたら日本の政治も危機になる」と強調した。
 この後の討論会で、大島理森自民党国対委員長は「(政局を)混乱させることを考え、国民の生活は眼中にない」と民主党を批判。漆原良夫公明党国対委員長も「民主党は財源根拠のないばらまき政策をいっぱい出している」と指摘した。
 主催者発表では、大会には両党の国会議員、地方議員ら約1600人が参加した。 

最終更新:7月13日18時6分
時事通信


民主党の政策には財源的な根拠がないバラマキだというのは、自民党の議員の見解としてかなり共通している。私もかなり同意していたりする。

ただ、有権者たち自身の考えがそもそも財源的な根拠なんて構ってないわけで、その意味では民主党的な「無駄をなくして財源を捻出する」というバカっぽい発想はそれなりにウケる要素がある。

自民党が民主党に勝ちたいなら、そこのところの欺瞞を暴きださなければならないが、この「無駄遣い」論はネオリベの論理だから、実はどこまでもいい続けることができる上に、完全(充分)な検証や反証が不可能な代物である。カール・ポパーの基準を当てはめれば非科学的な主張だと判定されるだろう。

なお、私が「無駄をなくして財源を捻出する」という発想をバカっぽいと書いているのは、必要なことをすべて行うために、現在の歳入水準(40兆円台後半から50兆円程度)で足りるわけがないと考えるからである。つまり、バカっぽいと言われないためには、「無駄をなくせ」派は、これで十分だと言えなければならないのである。より具体的に言うと、必要な歳出を積み上げて自力で計算してみれば「無駄をなくせ」派がいかにリアリティのないことを言っているのか分かるだろう、ということである。

無駄をなくした後に増税だという議論もあるが、そんな議論はごまかしにすぎない。そうした議論をする人は具体的にどの財源をどのように捻出するのかを提示できないことがその根拠である。とにかく自分にとっての「負担」を先送りしたいという我意だけが先行した議論であり、本来ならば公論になりえないものに過ぎない。このように、「無駄をなくせ」論のほとんどすべては単なる感情論にすぎず、政策論としては稚拙極まりないとしか言いようがないのである。もう少し冷静に「歳出の無駄」を考えているならば、歳出を民主的にコントロールするにはどうすればいいか、ということがもっと議論されているはずだが、そうした気配は感じられないことからも、以上のように言うことができるだろう。

とはいえ、自民党も消費税増税派と上げ潮派くらいしかないようだから、碌な議論ができる状態ではない。民主党も駄目だが自民党も駄目なわけで、二大政党制で両方が駄目であるという最悪の状態である。
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by zarathustra1883 | 2008-07-13 23:00 | 経済・財政

橋下痴事の財政私物化?

橋下知事、四面楚歌「夜に勝負かける」 御堂筋イルミ
2008年05月08日23時06分

 「財政再建の中、反対せざるを得ない」――。大阪府の橋下徹知事が意欲を示す冬の御堂筋イルミネーション構想に対し、府幹部から8日、公然と反対の声が上がった。

 橋下知事と部長の意見交換会は報道陣に公開される中、始まった。冒頭、知事直轄の重要政策プロジェクトチームが、御堂筋約3キロのイチョウ並木を12月中旬から約3カ月間イルミネーションで飾る構想を披露し、事業規模は10億~20億円と説明した。

 「府民に痛みを求め、職員にも厳しい削減を求める中、反対せざるを得ない」。口火を切ったのは中西正人・総務部長。歳出削減案では最大400億円の人件費カットを迫られている。笹井康典・健康福祉部長も「財政再建の議論をやっている途上で、まだ道筋も見えていない」。

 南部英幸・生活文化部長が「イルミネーションは非常に効果がある」と賛成したものの、大半は反対意見。「福祉で削った金を持っていくようにしか見えない」(上田博・会計管理者)などと厳しい声が相次いだ。

 橋下知事は「一番僕が悩んでいるところ」と財政再建路線との整合性に苦しむ胸の内を明かしながら、「夜に勝負をかけると大阪の街が浮かび上がる。世界に類のない光の街をつくっていきたい」と重ねて意欲を示した。


使いどころを間違っていると言わざるを得ないだろうな。さすが橋下事。

行政がなすべきこととは、まず第一に最低生活保障である。その上で経済政策ないし産業政策によって人々の生活基盤を間接的に支援することだろう。さらにその次にこうしたイベントなどの「地域おこし」的なものが組み込まれる余地が生じる。

逆に言えば、イベントはボランティアやNPOや民間企業に任せてもよい度合いが高いわけだ。

例えば、ボランティアが最低生活保障を支えて行政はそれを無視するなんてのは到底ありえないし、ボランティアが経済政策の実行部隊になることもまずないだろう。特にインフラ整備を実現することはできない。それと比べればイルミネーションなんて許可さえあればボランティアだってできる。私の住む町ではイルミネーション的なものとして、ろうそくの火を使ったイベントがあるが、あれだってろうそくを買ってるのは普通の市民なわけだ。行政も多少はバックアップしてるんだろうが、少なくとも前面には出ていない(はず)。

街のイメージを作るようなイベントこそ住民参加型でやるべきであり、それらを幾つか積み重ねていく中からいいものが出てくるもんじゃないのか?10億も20億も予算を出すなんてことは、財政赤字が大問題になっているときにやるものではないだろう。

もっとも、一般的にイベントへの財政からの支出は絶対にだめだということはない。いくつものイベントが財政によって支えられているのは事実である。しかし、重要度の高いものを削って重要度の低いものを増やすというのは本末転倒だ。行政とは何か、何をなすべきものなのか、こうした根本的な問題が整理されていないから、このくらいの問題で悩んでいる。橋下の場合、これまでの経緯も踏まえると、そうであるとしか見えない。

その上、「夜に勝負をかけると大阪の街が浮かび上がる。世界に類のない光の街をつくっていきたい」などと言っているが、具体的な効果や見通しがないことが透けて見えるようだ。何となく自分が好きだからやりたい、というだけにしか見えない。そういうのは財政の私物化と言ってもいいだろう。どこかの都痴事(都知事)と一緒だな。
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by zarathustra1883 | 2008-05-09 00:25 | 経済・財政

自覚がない床屋政談について

4月20日にメインブログにトラックバックがあった。見てみたらまたもや酷い内容だった。

アホくさくて論争する気にはなれない(そもそもブログの更新自体やってる暇がない)が、こちらにメモだけしておくことにする。

> 地方の財政が切迫しているのは理解するが、それにより税負担を強いるのは筋が違う。地方は産業を興し、それで利益を得るのが筋だ。

経済と財政を混同している見本のような言説だな。

> 地方はとかく道路を作れとか、箱物を作れと税金を無駄に使い続けてきた諸悪の根源だ。そして今回はガソリンである。

ほう。地方が諸悪の根源ねぇ。

道路を作れとか箱物を作れといったのは「地方」ではないんだがね。そうした要望は地方にも昔からあったが、どの時代も均質に作られたわけではなかった。それなのに90年代に急激に増えたのは、中央政府の意向によって作られたからだ。上の意見は、調べもしないでいい加減なことを言っている見本である。

初期には補助金で自治体を誘導し(なお、この誘導に自治体が「自由意思」で参加したとは言えない。「歳入の自治」が保障されていないからである。)、それを続けた結果(90年代後半以降)、債務が膨らんで自治体がそれに答えられなくなったら交付税措置によってさらに誘導して行われたのが、財政赤字を膨大に膨らませた構造である。

この程度のことは、少し調べればすぐにわかるのに、そんなことも知らんのか?


そうした「(現場を知らない)中央の決定が先にありき」の公共事業だったことが、有効な施設が少なくなった大きな原因だと批判するならまだしも、そうした仕組みすらわかっていないなら、わかったような口は利かないのが賢明というものだ。

> 産業を興さず、税にのみ頼るような地方など切り捨ててしまえばいいのである。税金の撤廃にはそれが必要だ。

観念論だな。同じ論理を転用しよう。

「産業に加担せず、税にのみ頼るような老人・障害者など切り捨ててしまえばいいのである。」

これを是認するのかどうか?一般には是認されないと思うがね。このブログの左側に置いてあるリストの『私的所有論』のロジックが私の依拠する論理であり、当然、これを是認しない立場だ。説明は一言では不可能なので省く。

また、「税金の撤廃」が必要だということ自体も意味不明である。例えば、所得再配分が不要だというのなら、経済格差も無際限に開いてよいということになる。他のエントリーもちょっと見てみた限りでは、この人は、税は給付に変換されるということを知らないらしい。


> 地方での生活が苦しければ中央に出てくればいい。

どうやら、当該ブログの主は、個人の価値観や生活の問題と政策との区別もついていないらしい。

それは措くとしても、去年のNHKの番組で八代尚宏がこれと同じことを言っていた。それに対して民間人に反論されてコテンパンにのされていた。民間人たちの主張はこうだった。「どうして中央に出なければいけないのか?」と。これに対して説得力のある説明をすることは難しいだろう。(上記の意見自体が、あまりにも一面的なものの見方にすぎないから、この程度の切り替えしでも十分な説明は不可能になるのである。)

(さらに言えば、これが簡単にできることだとした場合、東京は人口でパンクし、スラムができ、失業者が蔓延る街になるだろう。東京に行っても、それが大量現象として起こるならば、日本国内に存在しうる仕事の量や内容は基本的には変わらないのだから、失業率は同じくらいになる。居住地が小さくなると、その分だけ運送業や建設業や小売業の仕事が減るから、むしろ失業率は高まるだろう。そんなことも想像できないのは、かなりアホなんじゃないだろうか。)

それとは別の切り口だが、逆にこいつには、地方で産業を興せとも言っていることと合わせて、次のように言うべきだろう。

オマエが地方に出てきて事業を起こして成功してみろよ。

まず、転居だが、例えば、20歳そこそこの若造が東京に出ることは元手となる資金さえあれば簡単である。(しかし、20代だと元手となる生活資金が十分あること自体が難しい。)それに対して、仮に既に家庭を持ち、家や土地も持っている場合、その難易度がどれほど上がるか想像できないのだろうか?

その上、地方であれ東京であれ、見知らぬ土地で知己によるネットワークがない中で成功を収めることがどれほど難易度が高いか想像できないのだろうか?一般的には不利な状況に陥ることが容易に想像できる。

さらに言えば、仮にこの人を含めて、幾つかの事業が成功したとしても、それが他の人々の事業でも起こり、「成功」が大量現象にならないならば、政策としては失敗である。

政策のイロハもわからない連中が政治を語る。床屋政談やそれ以下のレベルのものが公の目に触れるようになる。床屋政談や居酒屋政談なら、お互い話半分というところもあると思うが、ウェブ上では本人はレベルについての自覚を欠いたまま、大真面目に述べているようだからこまったものだ。

床屋政談が悪いのではない。床屋政談レベルだという自覚がないことが悪いのである。それは低レベルな議論(現実への適合性が低い議論)を大真面目に実現すべきだという意見になるからである。
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by zarathustra1883 | 2008-04-21 00:13 | 経済・財政