ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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公務員のボーナス削減についての覚書

臨時引き下げ、1日にも勧告へ=公務員ボーナス-人事院

4月29日2時33分配信 時事通信

 人事院は28日、急激な景気悪化により民間企業の夏季ボーナスが大幅な引き下げとなる見通しとなったことを受け、国家公務員の今夏のボーナスについて5 月1日にも臨時の引き下げ勧告を政府などに行う方針を固めた。6月に支給予定の夏季ボーナスは月給の2.15カ月分で、減額幅は緊急調査結果などを基に最大で0.30カ月分となる見通し。 

最終更新:4月29日3時11分
時事通信


私は「時流に反して」公務員バッシングに対して批判的に対抗するスタンスであるが、この対応に関しては「微妙」な立ち位置にいる。

民間企業のボーナスが大幅に削減になっていることと、公務員給与が民間企業の給与に連動して決まるというルールからすれば、今回の引下げは理解できないことはない。

また、財政的に見ると、歳出の大幅な拡大がなされている時に多少なりとも構造的な歳出削減要因としても理解できないことはない。

ただ、安易に歳出削減の手段として公務員給与を利用するという点は批判しなければなるまい。実際、90年代以降20年間にわたり拡大してきた財政赤字は公務員給与とはほとんどまったくというほど関係がないのだから、赤字拡大の原因に対応することなく、そのツケを公務員給与に回すというのは、問題の解決にならないだけでなく、問題の解決を阻害する要因にすらなりうるからである。(というか、すでにそうなっているのではないか。)

高齢化が進むことによって歳出は増えるのは確実であるが、これが財政面で効いてきたのは、21世紀になってからと考えてよい。90年代の財政赤字の多くはハコモノが目立つ公共事業が次々行われたにもかかわらず減税を行ったということである。公共事業そのものは悪ではない。よりよい公共事業は可能だったが、政策決定の仕組みからしてあのような形になってしまった。

だから、政策決定の過程を変えること(補助金を地方政府が利用する際、中央政府による干渉や誘導を減らすことなど)と、歳出削減を後に補填しうるような歳入増大のための仕組みを制度的にビルトインしておくことは、最低限必要なのである。

しかし、こうしたことすらされていない中で、ほとんど「やっかみ」とも言える感情論に便乗して、公務員給与を財政削減の手段とするやり方には反対である。

もう一つ気になることは、「じゃあ、民間のボーナスが元に戻ったら公務員のボーナスも、今回の対応と同じくらい迅速に上げるのか?」ということである。これがなされるならば、かなり妥当な調整であると考えるが、恐らく、これが迅速になされる可能性は低いだろう。そうだとすれば、公務員のボーナス削減は単なる歳出抑制のための手段でしかないことになる。

そして、公務員のボーナス削減は中小企業のボーナスの目安とする基準の低下をももたらすことになり、中長期的には民間の給与総額の抑制にも繋がるのであり、それは昨今しばしば言われる需要喚起を根本的に阻害する構造的要因の一つである、という視点は常に持たなければならない。

総括的に結論を言えば、短期的かつ比較的狭い視野で考える限り、今回の措置は正しいが、中長期的あるいは比較的広い視野から考えれば、今回の措置は妥当性を欠く可能性が非常に高い、ということになろうか。
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by zarathustra1883 | 2009-04-29 13:48 | 政治ニュース

次は「専ら派遣」かよ。

大企業系の3割「自グループのみに派遣」 専ら派遣

2008年6月27日22時30分

 特定企業だけに労働者を派遣する違法な「専ら派遣」の問題で、大企業系の派遣事業所の31.1%が、労働者をグループ内の企業のみに派遣していることが27日、厚生労働省の初の調査でわかった。同日開かれた労働者派遣法改正に向けた有識者検討会では、何らかの規制を検討すべきだとの意見が出た。

 調査は3月、全国の大企業グループ内の259の派遣事業所に実施。244事業所が回答した。1カ月間に派遣した労働者のうち、グループ内への派遣比率が80~99%の事業所も37.2%に上った。

 「専ら派遣」は、本来正社員などで雇うべき人を不安定な派遣労働者として働かせるおそれがあるとして、派遣法で禁止している。ただし、グループ内だけでなく、他企業にも一部の労働者を派遣するなどしていれば、違法にならない。多くの大企業が派遣子会社をつくり、実質的に「専ら派遣」を行っているとして連合などが問題視している。


以上、asahi.comより。

そもそも派遣労働者を自由化したこと自体がこうした問題の根源だろう。

正社員などを増やすことになると、企業の利益が損なわれるという意見も一部からは出そうだが、大企業の利益は以前より増えているんだから、あまり説得力はない。

もっとも、世界のマネーの流通量自体が増えているから、日本の企業の利益の増大があっても、グローバルなマーケットでの優位性は低下しているかもしれないが。

しかし、だからといって労働力を安く買い叩くようなやり方では短期間の延命措置でしかないだろう。その延命措置が機能を果たせなくなった頃には再生不可能な状態になっているはずであり、それを避ける意味でもソフトランディングが可能な労働のあり方を再構築することが必要である。
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by zarathustra1883 | 2008-06-29 03:31 | 社会

チベット問題が飛び火?

中国・新疆でデモ参加者500人以上逮捕か 台湾報道
2008年03月31日19時30分

 台湾の中央通信社によると、中国新疆ウイグル自治区南部のホータンで3月23、24の両日、住民によるデモ活動があり、公安当局が500人以上を逮捕した。デモは当局に鎮圧されたが、参加者は、これまで当局が拘束したウイグル族への残忍な行為の停止と、政治犯の釈放を求めたという。

 亡命ウイグル人組織の連合体「世界ウイグル会議」が同通信社に同30日、連絡してきた。報道によると、デモには1000人近くが参加し、うち8割が女性だった。中国各地へ出稼ぎに行く若いウイグル族女性の労働、生活環境問題もデモの背景にあったという。


チベット問題の「飛び火」は中国政府が最も恐れる事態だろう。注視する必要がある。

労働や生活環境の問題という点では新疆はかなり大変だろうから、純粋にそうしたものの改善を求めるものだったのかもしれない。しかし、チベットのデモを見て、自分達も「アピールするチャンスだ」と気づいたということもありえないわけではない。
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by zarathustra1883 | 2008-04-02 01:31 | 中国

【橋下痴事】 喫煙所をやめるという愚行について

先日のエントリーでも取り上げたのだが、橋下痴事は、府役所で仕事中の喫煙を禁止し、喫煙所を撤去する方向で検討を始めたという。

これに関して、オフィスの空間の使い方やその空間が人間関係に与える影響などの観点から次の論考は大変参考になるので、記録しておきたい。ここには文章を全文引用しておくが、以下のURLには、オフィスの写真も多く掲載されており、より深く理解できるので、そちらも是非参照して欲しい。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/office/column/20080325/517618/

岸本章弘の「世界のオフィスに学ぶ」

仕事に役立つ“非仕事空間”を充実させる、Swedish Postや米TBWA/Chiat/Dayなど


 「オフィスは何をする所か」と尋ねられたら、ほとんどの人は迷うことなく「仕事をする所」と答えるだろう。では、具体的にどんな空間が必要だろうか。

 一般に、まず中心となるのは、デスクワークのための空間や、会議などのテーブルワークのための空間だろう。これらに伴って、コピー機などが並ぶサービスのための空間があり、来客などに応対するための空間がある。

 さらには、交流のための空間や飲食のための空間も必要となる。ただし、交流や飲食が目的だと「仕事のための空間」という認識は低くなるようだ。多くの人は、「そこにいると仕事をしてないように見られる」と感じ、ランチタイム以外の時間を過ごすことに、ためらいや後ろめたさを感じる。

 なぜ、後ろめたさまでを感じさせる空間がオフィスにあるのか。それは、オフィスワーカーの生活に役立つし、必要だからだ。中には、交流や飲食を目的とする空間を「必要悪」のように考える人もいるようだが、そんな解釈は無用だ。「仕事」をする場所でなくても、十分に仕事に役立つことはあるからだ。そんな事例を見ていこう。

出会いと交流の場所

 知識創造におけるインフォーマルなコミュニケーションの重要性が、頻繁に説かれている。それを促すための空間の代表として、キッチンやカフェ、あるいはダイニングといった空間が挙げられることが多い。

 確かに、飲食は誰にとっても不可欠で、楽しみでもある。そのための場所に集まった人々はリラックスしていることが多い。そこでの交流が一体感を醸成し、メンバー間の情報の交換と共有につながる。

 そんな効果を期待して、スウェーデンの郵便事業会社Swedish Postは、ストックホルム近郊のソルナにある本社オフィスの飲食スペースを充実させた。

 約1200人が入居する本社ビルの最上階に、セルフサービスの400席のレストランがある。レストランの入り口脇にはキッチンがあり、自宅から持ってきたランチを温めるために25台の電子レンジが置かれている。自席ではなく、レストランで同僚たちと同席することによって、コミュニケーションを促そうというアイデアだ。

 本社ビルでは、エスカレーターがメーンの動線となっている。その脇にあるカフェテリアは、ちょっとしたミーティングにも便利な場所だ。このほか、給仕サービス付きのビストロもあり、来客とのランチなどによく利用される

 各部署の執務エリアに行くと、入り口付近には必ずミニキッチンやコーヒーマシンが設置してあるほか、喫煙室もある。その隣の小さなラウンジでは、午後のお茶の時間になると、社員がテーブルを囲む姿があちこちで見られる。

 こうした施設の充実も含めて、チームワークを重視したオープンオフィスをつくった結果、入居から2年を経た時点でも不満はほとんど出ていないそうだ。

気分転換と回復の場所
 
 終日、仕事していると疲れるもの。適度の休憩が必要だ。気分を切り替え、疲れを癒やし、やる気を取り戻すことは、より生産的あるいは創造的に働くために有効なことである。

 その手段はいろいろあるが、スポーツのようなアクティブなものは、専用空間だけでなく、道具や器具も必要になるのでコストがかかる。それでも、皆とプレイする種目なら、気分転換だけでなく、仕事のチームづくりにも役立ちそうだ。さらに、クライアントも巻き込めれば、ビジネス上の効果も計り知れないだろう。

 米国の広告代理店TBWA/Chiat/Day。ロサンゼルスにある同社のオフィスの中央に、バスケットボールコートがある。フルサイズで本格的なゲームが楽しめる空間だ。その周辺には、サーフボードを置いたバーカウンターのほか、本物の砂を敷き、木を植えた「セントラルパーク」と呼ぶスペースがある。

 このオフィスに移転して変わったことの一つが、クライアントがオフィスに来てくれるようになったことだ。あえて午後にミーティングをセッティングし、終了後に仕事を切り上げて、共にゲームを楽しむこともある。

 それまでは、クライアントのオフィスに出向くことが多かった広告代理店の担当者にとっては、移動時間や交通費の削減はもちろんのこと、頼りになる多くのスタッフが控えた社内でプレゼンテーションに臨める。“アウエー”ではない“ホーム”の利点が最大限生かせるわけだ。

未来を考える仕事の場所

 より高度な仕事のために、「普通のオフィスらしくない場所をつくる」という考え方もある。その代表は、「フューチャーセンター」などと呼ばれる場所だ。新しいアイデアを生み出し、革新的な解決策や新しい事業を構想する。いわば、仕事の未来について考える場所だ。

 1990年代半ばにスウェーデンの保険会社Scandiaが始めたこのコンセプトは、今ではヨーロッパ各国の企業や政府機関に広がっている。それらの施設に共通する特徴は、日常のオフィスから離れた場所に、普段と違った快適で楽しげな空間を設けていることだ。

 例えば、自然に囲まれた民家や古城の中に、家庭的な暖かい空間や、アートを取り込んだ楽しげな空間をしつらえている。利用者はチームで参加し、遊びの要素やリラックスした食事の時間を織り交ぜながら、ハードなワークショップ(研究集会)などに取り組む。チ―ムでアイデアを出し合って、課題に対する解決策を見いだす。

 日常のオフィスから離れた新鮮な環境に身を置き、日々の仕事の作法や思考のバリアを取り払う。そうして柔軟な発想で、知を結集して革新を起こそうという狙いだ。

 こうした事例をみると、執務デスクや会議テーブルがない場所を“非仕事空間”と考えることは間違いだと気付かされる。
機械の組み立てには生産ラインや工具が、効率的な事務作業のためにはデスクや椅子がそれぞれ必要となる。革新的な発想のためには、快適で自由な空間が必要なのだ。

ビジネスを支える多様な空間

 確かにオフィスは仕事をする場所だ。しかし、仕事は多様であり、変化もする。もはや事務作業だけが、仕事の中心ではなくなっている。知識が主導するグローバルなビジネス環境下で、競争力のある製品・サービスをタイムリーにつくり出そうとするなら、人々が持つ多様な知恵や知識を迅速かつ臨機応変に組み合わせることが重要だ。

 そのためには、互いの人柄を知り、信頼関係を築き、理念や問題意識を共有する。そのうえで、課題に対して集中して協働できる組織が求められるはずだ。もちろん、協働する相手は社内だけとは限らない。

 そんなふうに組織を育て、人々を集め、仕事を支える。ビジネスの成功と仕事人生の充実を両立させるために、オフィスを効果的に活用すべきだろう。

 オフィスに入るとき、人は自分のスイッチを切って、仕事専用ロボットになる。仕事を終えて外に出ると、スイッチを入れて人間に戻る――。これは、ちょっと極端な例えかもしれない。

 仕事専用の空間しかないオフィスというのは、そんなロボットが働くような場所ではないだろうか。だとすれば、仕事のための空間がかえって仕事の質を落とす、といった皮肉な状態に陥りかねない。


 厳しい競争を勝ち抜きながら、チームが生き生きと働きけるような場づくりを望むなら、仕事以外の空間の充実は、オフィスづくりの重要な方策の一つとなるはずだ。

(編集部注:連載「世界のオフィスに学ぶ」は今回で終了します)


これについてのコメント。

◆問題の「喫煙所」は、以上のような事例と同等とは言わないが、類似した機能を不十分ながら果たす場所のひとつだと思われる。では、それをなくするのが良いのかどうか?

◆また、「あえて午後にミーティングをセッティングし、終了後に仕事を切り上げて、共にゲームを楽しむこともある」というのは、橋下と正反対の発想であることがわかるだろう。橋下が言うとおりにしたら、この文章の結末にあるような帰結になる。すなわち、「仕事専用の空間しかないオフィスというのは、そんなロボットが働くような場所ではないだろうか。だとすれば、仕事のための空間がかえって仕事の質を落とす、といった皮肉な状態に陥りかねない」

◆それから、あまり脳の働きがよくない人は、公務員とそれ以外について正反対の反応をする人がいるのだが、その際、公務員は何かと税金で彼らの給与がまかなわれているということが、彼らへの「締め付け」が正当化される(表向きの)理由とされることが多い。

その主張は、もし、公務員が全く何の給付も行なっていないというならば、懲罰的な意味として理解できる。しかし、公務員は彼らの行なうべき行政給付を行なっている。公務員バッシングをする際、その人はこの事実を見ようとしない。

日本の場合は、行政が行なうべきとされる給付水準が低いため――その給付水準を決めているのは究極的には「主権者」であって、それは有権者自身である。そのことについて公務員に罪を擦り付けたり、言い訳したりすることはできない――そもそも給付がなされているという実感が湧かないために、「何も給付が行なわれていないかのような錯覚」がまかり通っているのである。つまり、公務員バッシングの担い手達は、自分自身の「自業自得」の罪を公務員に押し付けているだけなのである。

しかし、実際には(100%有権者の満足がいくようにではないとしても)一応、なすべきことを行なっているならば(実際やっているのだから)、公務員の給与を税金でまかなうからといって、全く余裕がなく、息抜きをする場所も手段もないような、非人間的な労働環境で働くべきだと言うのは、不当であると言っても不可解ではないだろう。

だからこそ、本文でも次のように言われている。

このコンセプトは、今ではヨーロッパ各国の企業や政府機関に広がっている。それらの施設に共通する特徴は、日常のオフィスから離れた場所に、普段と違った快適で楽しげな空間を設けていることだ。


そう。オフィスの空間を狭義の仕事のみに限定せず、より人間的な生き方と繋がるようにした方がよいとする考え方は、ヨーロッパでは政府機関(つまり公務労働)にも広がっているのだ!

なお、ここで述べられている発想は、1月くらい前にウェブ上で話題になった次の記事で述べられている「ヨーロッパの労働者(官僚)が忙しくない理由」ともシンクロしていると思う。

ヨーロッパ人が忙しくない3つの理由
ヨーロッパ人が忙しくない追加的理由
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by zarathustra1883 | 2008-03-31 02:08 | 政治ニュース

中国経済はどこへ行く?

本間文という人の「台北発ITの潮流を読む」というコラムの記事「中国南西部の雪害と、外資系製造業の脱・中国」より。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20080310/295811/?set=bpn

とはいえ、今回の雪害で、深セン・広州地域の製造環境の危うさが露呈したことも確かだ。台湾などの外資系企業の中には、工場をほかの地域に移転させることを検討し始めたところも多いという。

(中略)

 日立製作所やトヨタのように、中心企業の周りに部品製造業が集まり、ひとつの街を形成するケースは日本でも見られる。深センにおけるFOXCONNも、まさにそのパターンだ。工場の敷地内には宿舎はもとより、病院や教育施設も完備され、同社の工場地域にアクセスするための高速道路の出入り口があるほどだ。そのFOXCONNがベトナムに移転するとなれば、多くの部品製造会社も同社とともにベトナムに進出するはず。台湾の大手パソコン製造メーカーもベトナムや、その周辺国への移転を検討し始めている。


先日の韓国企業が中国から「夜逃げ」しているという記事と並んで興味深い。

しかし、短期的にはこの流れはできるかもしれないが、中長期的にはこれが続くかどうかは不透明だ。中国には発展する要因と外資が逃げる要因の両方がある。

中長期的に伸びる要因の一つはこれだ。以下、asahi.comの記事。

サブプライム「中国は影響小さい」 次期世銀副総裁会見
2008年03月16日18時53分

 5月末に世界銀行の上級副総裁兼主任エコノミストに就任する林毅夫・北京大中国経済研究センター主任は北京で記者会見し、サブプライム住宅ローン問題の中国経済への影響について「ないとは言えないが、ほかの国よりかなり小さいと考えている」と述べた。

 中国の金融機関が保有するサブプライム関連証券は「基本的に非常に少ない」とし、対米輸出も「中低価格の生活必需品が主で、経済が悪化しても消費しなければならないものばかりだ」と指摘。「いくぶん減速しても(輸出が)減ることは絶対ない」と強調した。

 世銀での役職は、サマーズ元米財務長官やノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ氏らが就いてきたポスト。林氏は中国を含む発展途上国出身者では初めて就任する。


サブプライム問題に発する金融不安によって他の諸国は多かれ少なかれダメージを受けるが、中国は金融が未発達であるがゆえにこのダメージを免れているようだ。これによって相対的なパワーバランスが中国の側に傾いていくということはありうる。中長期的な流れとして。

このほかに、中国の経済環境で気になるのは、例えば、2008年1月1日から施行された新労働契約法などだ。日本が高度成長期に終身雇用を実現したが、中国もそれに近いシステムを整える方向に法整備をした。法人税の外資への優遇もなくなっていくようだし、そうした制度改正がどのように影響していくかが、今後の中国の経済発展の状況に大きく関わってくるだろう。その意味で目が離せない。

ちなみに、新労働契約法に関しては、クーリエ・ジャポンの4月号の富坂聰のコラムがなかなか興味深かった。この問題についてもう少し掘り下げるとき、再度参照できるようにメモしておく。


【追記】

asahi.comより。

中国銀行、損失95億元でも増益
2008年03月25日19時54分

 中国大手国有銀行の中国銀行が25日発表した07年12月期決算は、当期利益が前期比31%増の562億元(約8000億円)となった。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン関連証券への引当金として約95億元(約1350億円)を損失計上したが、純金利収入の増加などで増益となった。

 同行のサブプライム関連証券の保有高は昨年末時点で49.9億ドル(約5000億円)となり、昨年9月末時点の79.5億ドル(約8000億円)から減少した、としている。

 同行のサブプライム関連投資をめぐっては、香港紙が1月、07年第4四半期に巨額の評価損を計上する見通しと報道。これを受けて上海株式市場が大きく値下がりした経緯があり、この日の決算発表が注目されていた。


サブプライムによるダメージは限定的だと言われていたことを裏付けた形か。
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by zarathustra1883 | 2008-03-24 01:29 | 中国

ドイツの貧困化とグローバル化

「富める国ドイツ」の実態、国民の4分の1が貧困層
2008年03月13日 19:04 発信地:ベルリン/ドイツ

【3月13日 AFP】ドイツといえば、メルセデス・ベンツ(Mercedes Benz)やBMWなどの高級車が高速道路を行き交う豊かな国というイメージがあるが、現在のドイツは100万人以上が生活保護に頼って暮らしているのが実態だ。

 現在、ドイツの失業者数は人口の8.6%を占める360万人にのぼり、失業問題は重要な政策課題の1つとして政治の場でもしばしば取り上げられてきた。一方で、時給わずか3ユーロ(約470円)の美容師や月給(税込み)わずか748ユーロ(約11万7000円)の警備員など、低賃金労働を強いられてきた「ワーキングプア」の問題は長いこと見捨てられたままだった。

 連邦政府の雇用当局によると、生活保護を受ける被雇用者数は2005年は88万人だったが、現在は120万人に増加。その半数は正規雇用者だという。

 こうした事態をうけ、ドイツでは最近になって最低賃金制度の導入の是非についての国民的な議論が巻き起こりつつある。大衆紙「ビルト(Bild)」は、清掃員、店員、ホテルの客室係などの賃金はあまりにも低すぎ「極貧賃金」だとの主張を展開している。

 ドイツ経済研究所(DIW)が今週発表した調査結果によると、ドイツの平均年収1万6000ユーロ(約250万円)の70%未満の年収で生活する貧困層人口は現在、全国民の25%以上に達したという。2000年の貧困層は、労働人口の18.9%にすぎなかった。

 経済協力開発機構(OECD)の調査によると、1995-2005年の間に貧富の差の拡大がみられたのは、欧州ではドイツの他にはポーランドとハンガリーの2か国だけだという。(c)AFP/Arnaud Bouvier


北欧ほどでなくとも「福祉国家」的だとされる西欧でも貧困とワーキングプアの問題は生じている。

ただ、この記事では、ドイツ、ポーランド、ハンガリー以外の欧州では貧富の差が拡大が見られないと言っているが、それは本当だろうか?OECDとしては全体として貧富の差があると結論してはまずいから、酷いところ以外は名指ししなかっただけではないだろうか。

グローバル化の本質は金融グローバル化であり、そこでは国境を自由に越えてもっとも有利な地点を選ぶことができる金融資本の勢力(投資家)は有利な立場に立ち、投資家と同等の自由度は得られない経営者(特に地方の中小企業)、さらにそれよりももっと土地に縛られている(移動の自由度が小さい)労働者は相対的に不利な立場におかれる。

自由度の高い投資家たちはどこに投資するか選ぶ立場に立ち、経営者、労働者と自由度が下がるにつれて自分で相手を選ぶことができず、(投資家から)選ばれなければならない立場に置かれる。当然、経営は「数字のよさ」(経営基盤の強さ)が求められ、労働条件は切り下げられる。

こうして一部の投資家とグローバル企業の経営者は潤い、そこから遠ざかるにつれて多くの人々はより貧しくなる。

但し、地域として安価でそこそこの質である労働力を供給できる地域には資本が投下されるので、それらの地域は世界的には貧しいながらも生活水準は向上する。それがBRICsなどの諸国である。それより賃金が高い地域の労働者の生活水準は基本的に下がる。

グローバル化をやめない限りそれは続く。あるいは、新興の諸国の方が経済力が優位になる(逆転される)まで続く。。。

上記の序列の中に付け加えるべきアクターがある。各国の政府である。

投資家が政府を自らにとって有利になるように利用するのが一般的である。なぜなら、各国政府にとっても自国の領域内からの資本流出は避けなければならず、それはとりもなおさず、投資家に選んでもらうことにほかならず、それは投資家よりも劣位に置かれることを意味する。ここ20年ほどの間に財界や投資家が政府に対する支配力を強めてきたことの理由はここにある。

つまり、金融グローバル化の世界においては大体、次のような序列が成り立つ。

投資家(大口)>グローバル企業の経営者>各国政府>各国国内の企業(経営者)>労働者


日本のリベラルたちが「福祉国家」を求めるとすれば、それは政府以下のランクのものを保護するものとして政府を必要としているからである。一般的に言って、現在、各国の政府は「資本のエージェント」と化している。


この数日後、北海道新聞にも同様の記事が出ていた。

格差拡大、ドイツでも 国際競争激化、賃金カット(03/18 07:55)

 【ウィーン17日石井群也】所得格差の拡大が日本で社会問題化しているが、ドイツでも低所得層が急増していることがベルリンのドイツ経済研究所の調査で明らかになった。国際競争の激化で企業が経営基盤の強化を迫られ、人件費削減を進めていることが背景にあるとみられる。

 同研究所が三月初めに発表した所得階層分析によると、所得税や社会保障費などを除いた手取りの年収が一万千二百-二万四千ユーロ(約百七十五万-三百七十四万円)の中間所得世帯は二〇〇〇年から六年間で、全世帯の62%から54%に減った。

 一方、年収一万千二百ユーロ以下の低所得世帯は19%から25%に急増。増加率は、年収二万四千ユーロ以上の高所得世帯に比べ、三倍以上だった。

 一方、二〇〇〇年に被雇用者の64%を占めた正社員は、〇六年に55%まで減ったことも判明。低所得層の増加は、企業が低賃金の短期契約社員を増やしたことが要因とみられる。

 同研究所は「政治的に解決する必要がある。経済成長に合わせ、賃金も上げる政策が求められている」と指摘している。


上記の図式で「労働者」と一括されている人々も一様ではない。どんどん労働条件は切り下げられている。正規雇用から非正規雇用への切り替えは、まさに弱いものをさらに弱くする方向にほかならない。

こうして生活の困窮化がジワジワと進んでいくことが人々に不安を与える。そうした人々は自分以外の人間を蹴落とそうとする。それが例えば、ドイツやロシアやフランスなどでしばしば見られる排外主義であり、それの日本版こそ、まさしく中国や朝鮮半島に対する嫌悪であり、国内的には各種の差別を強化しようとすること(バックラッシュ)公務員バッシングである。

ちなみに、私が公務員バッシングに対してしばしば強く抗議するのは、こうした認識を背景にしている。しかも、公務員(官僚)こそ上記の図式で言えば、政府が「資本のエージェント化」していく圧力――これは表面的にはネオリベとして現れる――に対してもっとも強く抵抗を示している人々なのである。(先日の橋下「痴事」に反論した大阪府の女性職員なども、そうした一員だと見ることができよう。)

とりわけ中央省庁の官僚は「抵抗勢力」と呼ばれるが、それはまさにこうした流れに抗するものでもある。官僚も単に権益や天下り先を求めて抵抗しているだけではないのである。(直接的な動機は、個々の業務内容――それが担う公共性――に関連する理由がつけられるし、公務員本人も主観的にはそう思っているであろう。彼らは主観的にはグローバル化に抵抗するとか、政府が資本のエージェントになることに抵抗しているとは思っていないだろうが、彼らが正しいと信じて抵抗を示すことは、結局、このような位置づけがなされてよい事柄なのである。)

しかし、個々の公務員を見れば、既にかなり思考がネオリベ化されている人も多い(ように見受けられる)。これはまさに歳出削減圧力の賜物であろう。しかし、私はそういうネオリベ公務員こそ税金泥棒であると考える。なぜなら、彼らは自分の身を守るために税金を住民に還元しないことを志向しているからである。

目先の小さな不正に囚われて大局を見通せていないのが、今の日本の世論・マスコミの大きな問題である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-22 00:30 | 世界情勢・外交

名ばかり管理職

「名ばかり管理職」問題、指導強化へ 厚労相が表明
2008年03月14日12時46分

 権限も少なく、待遇も低い社員を残業代のいらない管理職として扱う「名ばかり管理職」問題について、舛添厚生労働相は14日の参院予算委員会で、全国の労働基準監督署に指導を強化するよう指示する方針を明らかにした。飲食・小売業界では「名ばかり管理職」扱いをされている店長も多く、こうした業界で今後、見直しの動きが加速しそうだ。

 労基法上、残業代の支払いを免れるのは、経営と一体的な立場にある「管理監督者」に限られている。だが、舛添氏は「ふさわしい権限や待遇がないのに、管理監督者扱いしている実態が一部にある」と指摘。「どんな企業も労働者保護の法律を守る義務がある。各地の労基署に労基法の趣旨を徹底し、監督指導を実施する」と述べた。


私の仕事の数年前の研修で、こうした事例があると聞いていた。その研修の(外部から招かれた)講師は、それを奨励していた。「あなたたちも(名ばかりの)課長になったらいい」と。

今のところ、そうなってなくてよかった。
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by zarathustra1883 | 2008-03-17 02:47 | 経済・財政

橋下徹「痴事」の朝礼について

橋下ウォッチャーの私としては、一応、この話題は記録しておかねばなるまい。まともにまとめる暇がないので以下は断片的なメモになる。

産経新聞。

橋下知事が若手職員を対象に初の朝礼 女性職員が知事に反論
2008.3.13 11:57

 大阪府の橋下徹知事は13日、30歳以下の若手職員を対象に初めて朝礼を開いた。知事は、予定時間の倍の30分にわたって財政再建や水辺を生かしたまちづくりについて熱弁。「本当は始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になると言われてできなかった」と不満を口にすると、女性職員が「どれだけサービス残業をしているか知っているのか」と反論するなど、初回からヒートアップした。

 朝礼は府庁新別館で午前9時15分から行われ、本庁勤務の30歳以下の職員約330人が出席した。

 橋下知事は、府庁をプロ野球チームに例え「5位、6位のチームがAクラスになるにも3、4年かかる。5年、10年後を見据えて大阪が変わるための基礎作り、種まきをしていきたい」と改革への決意を表明。「現場の第一線のみなさんが変わらないと、府庁の職員も変わらない」と変化を促し、「大阪を変えるため、府民のために一緒に頑張ろう」と呼びかけた。

 さらに、橋下知事は「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるのでできなかった。たかだか15分の朝礼ができないというなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」と発言。

 これに対し、後方で聞いていた女性職員(30)が突然立ち上がり、「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。知事は不満があればメールを送れといって、職場を分断している」と反論した。

 橋下知事は「ありがたい意見。どんどんいってほしい」と余裕の表情で応じたあと、「サービス残業に感謝している」とも述べた。

 終了後、この女性職員は「みんなが思っていることを言った。聞いている他の職員にも訴えたかった。現場が声を上げて職場を変えていきたい」と話した。

 また、男性職員(28)は「知事の言葉を聞いて、気持ちを新たにしている人も多いと思う」。女性職員(24)は「知事の意気込みはすごく伝わってきた。だが、私たちにどういうことをしてほしいのかもっと話してほしかった」と残念そうだった。

 朝礼は、若手職員から「現場に知事の声が伝わっていない」との指摘を受けて、橋下知事が先月下旬の部長会で検討するように指示。26日には、31~34歳の職員を対象に実施し、課長補佐級以下の職員を対象に、6月までに月2、3回の朝礼を予定している。


突っ込みどころはいろいろあるが、以下の点についてコメントしたい。

 さらに、橋下知事は「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるのでできなかった。たかだか15分の朝礼ができないというなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」と発言。

 これに対し、後方で聞いていた女性職員(30)が突然立ち上がり、「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。知事は不満があればメールを送れといって、職場を分断している」と反論した。

 橋下知事は「ありがたい意見。どんどんいってほしい」と余裕の表情で応じたあと、「サービス残業に感謝している」とも述べた。


◆まず確認すべきは、サービス残業は違法行為である。それに対して「感謝する」と言う発想自体が間違っているどこまでもずれた人間だ。ここでもルール無視なんだな。

(サービス残業をしていると言われたら、そのようなことはしないで済むようにどのようにお互い協力できることがあるだろうか、と考えるのが普通である。それに対して、2ちゃんねる系の書き込みでは「サービス残業は能力がないから」という意見もある。私もそれは否定しない。確かに、非常に能力がある人間ならそういうことにはならないことが多い。しかし、組織として恒常的にサービス残業があるとすれば、単に能力の問題ではなく、「運用の仕方の問題」と「仕事量と人数のアンバランスの問題」の少なくともいずれかがあると考えなければならない。能力などという目に見えず、実証することも大抵はできないものが原因だとしている時点で、その理論(理屈)は現実に対して敗北している。物事を改善する力がない「ヘボ理論」である。むしろ、そのようなこと(サービス残業は能力の問題)のように言うならば、そのように言っている人こそ「能力がない」可能性を疑ったほうがいい。まともに解決可能性のある理論を考えられないのだから。逆に言えば、解決可能性のあることを提言できるなら、「サービス残業するは無能だから」と言ったとしてもいいだろう。事実の一面を捉えている場合があるから。

また、同じく2ちゃんねる系の書き込みでは「公務員なんてヒマなのに」という書き込みもあったが、それも端的に言えば間違いである。それは「製造業は忙しい」とか「サービス業はヒマだ」などと言うに等しい。公務員といっても同じ仕事をしているわけではなく、実際にはやっていることはかなり違うからである。例えば、一般事務職と現業とは違いが大きいのは誰でもすぐに分かることだ。だから、恒常的にサービス残業がある部署とそうでないところがあると言うのが実態だろう。例えば、県庁や市役所の建物の前を、夜9時とか10時頃通ってみれば、毎回同じ部屋に明かりがついている傾向を見て取れるはずである。逆に言えば、いつも電気が消えているところもあるはずであるが。)


「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるのでできなかった」というのは、当然だろう。まず、法的に見てそうならざるをえない。橋下は、公務員が率先して違法行為をしろとでも言うのか?世の中には「朝礼くらいいいじゃないか」という発想をする人間は確かにいるだろう。気持としてはわからないこともないが、朝礼に出席することが命令による義務なのだとすれば、それを認めた場合、どこまでも歯止めのないサービス残業を容認することに繋がる。

実際にそれを認めて、それが定着すれば、「朝礼が15分の予定だったものが5分で終わったので、始業時刻前から仕事をするのが当たり前だ」ということになる。「朝礼の時間を30分にする」ということだってできる。その上で、上記の例と組み合わせれば、25分のサービス残業を「なんとなく」「流れで」強制できることになる。その流れができた場合、使用者に有利な変更は次々とできるようになるが、労働者に有利な変更はまずおきない。そうしたことがおきないように弱い立場にある労働者を保護するのが、労働法制の意義だろう。

ここでも前回指摘したように、橋下がルール違反を何とも思っていないことが露呈する。(こういうのを「キ●ガイに刃物」というのだろうな。)


◆それから、「たかだか15分の朝礼ができないというなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」と言っている部分について2点ほど。

一つは組織論では、私語を含めたインフォーマルなコミュニケーションの重要性を説いている。むしろそうしたところでこそ重要な情報がある程度の速さで組織内に伝達されたり、新しいアイディアが生まれたりする。公務員に特別なアイディアは必要ないと思うかも知れないが、公務員の仕事のすべてがルーティンワークであるわけでもない。同じ事務処理をするにしても、短時間で少ない労力でできるようにするということも、アイディア次第という部分がある。そうしたアイディアが出やすいのは、何の私語もないような堅苦しい場ではない。

もっと重要なのは、橋下が懲罰主義者(→私の命名)であるということだ。他人を罰することによって強制しようとするのだ。これは以前、東国原知事が「徴兵制」発言をしたときに、私が批判したのと同じパターンである。力による支配によってあらゆることを解決しようとする発想である。

私に言わせると、この発想に頼る人間というのは一般に、頭が悪い。正真正銘に頭が悪い。なぜか?こういう人は、知恵を使って物事を解決しようとしないからである。知恵を使うために、背景となる事実をよく分析しないからである。正確に言うと、いろいろと考えるべきところで頭が働かないので、短絡的に力で押さえつけることで問題を解決しようという発想になるのである。よく考え、分析することよって、解決しようとする問題の根本的な原因を取り除くという発想がないのだ。こうした「回りくどい事」をするのは特別な能力ではない。特別の努力なしに、自然にできることである。これができるのは「頭が普通に働いている」ということなのである。頭が普通に働いていないということを、私は「頭が悪い」呼ぶ。

一般に、ネオコンと呼ばれる連中や、これとは重ならないが靖国派と呼ばれたり、国家主義者と私が呼ぶ連中は、こうした「力の論理」でしかものを考えられない。これは彼らの思考の特徴である。その意味は、要するに彼らは馬鹿だということだ。そのもっとも分かりやすい具体例は安倍晋三だろう。


◆さて、次。

女性職員(24)は「知事の意気込みはすごく伝わってきた。だが、私たちにどういうことをしてほしいのかもっと話してほしかった」と残念そうだった。


橋下は何も知らないから具体的なことなんて言おうと思っても言えるわけない。この職員も分かっていて皮肉で言っているのか?そうでないなら、もう少し人を見る目を養ったほうがいい。



次は毎日新聞の記事。

橋下知事:若手職員集めた初朝礼で激論

 大阪府の橋下徹知事は13日、30歳以下の職員約330人を集めた初の朝礼を行い、自らが進める財政再建に向けて意識改革を呼びかけた。若手職員がメールで「知事の考えていることが報道を通じてしか分からない」との意見を寄せたのがきっかけで、6月まで月2、3回課長補佐級以下の職員を対象に開く。しかし、この日は橋下知事の職員批判に出席者の1人が反発し、初回から激論になった。

 朝礼は始業時刻の9時15分に開始。橋下知事は「9時にやりたいと言ったら『超過勤務になる』と言われた。民間なら始業前にやるのが普通」と主張。「たかだか15分、始業前の朝礼で超過勤務手当だと言うなら、税金で給料が賄われている皆さんの執務時間、私語やたばこ休憩は全部(給与を)減額させてもらう」とまくし立てた。

 これに対し、女性職員(30)が「ちょっと待って下さい」と立ち上がり、「今どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。きれいなことを言っているが、あなたは労働者をバラバラにするようなことばっかり言っている」と反論した。橋下知事は「そういう議論をぜひ起こしてください。ありがたい意見だ」と答え、朝礼後も記者団に「彼女は立派だと思う」と話した。

 女性職員は「現場のことを何も知らない知事が、朝礼が9時15分で甘いとかをテレビの前で言うやり方は、府の労働者と府民をバラバラにしていくと思う」と、発言した理由を語った。【大場弘行】

毎日新聞 2008年3月13日 14時29分 (最終更新時間 3月13日 14時50分)


「現場のことを何も知らない知事が、朝礼が9時15分で甘いとかをテレビの前で言うやり方は、府の労働者と府民をバラバラにしていくと思う」というのは、確かにそうだろう。

(なお、産経の記事は女性職員の発言の意味が毎日新聞とは違っているが、私がテレビのインタビューをちらっと見て、女性職員の主張を聞いた限りでは、産経の要約の仕方は間違っていると思う。私が聞いていないところで語っているのかもしれないが、主として問題にしているのは府民と府職員との分断であると思われる。府職員同士の分断はどちらかというと二次的である。)

なぜならば、「15分の時間外で騒ぐ生意気で怠惰な公務員」というイメージを知事がメディアを通して作っていくことになるからだ。これに対して、府の職員にはそうした発信のチャンスが与えられない。しかも、こうしたことの積み重ねの結果、府民からの信用が失われれば、それを取り戻すチャンスもほとんどない。地道な活動の積み重ねしかないのに、それは基本的には伝わるものではない(目に見えにくいものでしかない)からだ。

実際に、上記のようにして公務員や官僚のイメージが作られてきたのが90年代以降の一貫した流れである。(右も左も、リベラルだろうとそうでなかろうと、立場を問わず、この洗脳ははっきりと功を奏している。見事に嵌められているというほかない。)

ついでに言えば、それに拍車をかける「元官僚」が多いのも問題だと思っている。その点にかけては私は天木直人に対しても否定的な評価を下す。辞めた人間は基本的に組織から認められなかった人であることが多いから、組織や官僚を憎んだり妬んだりする傾向があり、そうしたバイアスがかかった情報ばかりが世に垂れ流されることになる。それとは逆に、まじめにやっている人間もいるのに、それは知られることはない。

私の個人的な見解をいえば――ある程度の理論的な裏付けはあるのだが――民間でも「本当に役立つ人間」というのは2割くらいだろう。6割くらいは「普通」でしかなく、残りの1~2割は「使えない」ヤツだ。公務員でもその割合は基本的に変わらないと思う。そうだとすれば、2割のダメな奴を探すのは何の苦労もないってことである。組織を憎んでいる人間がそれをピックアップして悪く書くことには、何の特別な洞察力も必要ないのだ。
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by zarathustra1883 | 2008-03-17 02:46 | 政治ニュース

共産党は「全国」の労働者と歩むべし

asahi.comより。

ネットで共産党熱 若者ら、志位委員長に「SGJ」
2008年02月29日23時02分

 共産党がインターネットで脚光を浴びている。志位委員長の派遣労働問題をめぐる国会追及の模様が動画投稿サイトに掲載されるや、視聴回数や応援の書き込みが爆発的に増殖しているのだ。多くが派遣で働く若年層によるものとみられ、同党は「ネットカフェ難民」など若者の低賃金労働問題に取り組む姿勢が共感を集めている、と受け止めている。

 2月8日の衆院予算委員会で志位氏は、日雇い派遣労働者から寄せられた訴えを紹介し、「人間を消耗品のように使い捨てる究極の非人間的な労働だ」と追及。福田首相から「私も日雇いは決して好ましいものではないと思っている」と派遣労働問題の改善に前向きな答弁を引き出した。

 その2日後、参加者が自由に投稿できる動画投稿サイト「ニコニコ動画」にこの質疑の模様が投稿され、以来、志位氏を称賛する書き込みが後を絶たない。「やるじゃねーか共産党」「委員長SGJ(スーパー・グッド・ジョブ)」

 視聴回数はこれまでに計2万1000回。書き込みは2万2000件を超えた。動画は4回削除されたが「消されたら投稿運動」が自然発生して掲載が続く。別の動画投稿サイト「ユーチューブ」の共産党専門チャンネルでも、同じ動画の視聴回数は4万件。党広報部は「異例の反響。過酷な労働条件や低賃金にあえぐ若者の琴線にふれたのでは」と驚きを隠さない。

 同党では総選挙に向けて「若年層の支持につながるのではないか」との期待も膨らむ。ネット掲示板「2ちゃんねる」でも話題になっており、「(共産党の)名前を変えれば支持する」といった皮肉もあるが、「比例は共産党に決めた」との前向きな受け止めが目立つからだ。

 同党は、志位氏の質問が先月17日にあった京都市長選での善戦にも影響したと分析。党幹部の一人は「若者の不満のマグマは大きい。若者の支持があれば、比例票は相当伸びる」とみており、派遣労働問題への取り組みを通じた若者への働きかけに力を入れたい考えだ。


メインブログに先日掲載したやつだな。

共産党は「『全国』の労働者」を団結させたらいい。それは選挙区より比例でこそ力を発揮する。

しかし、本当に党の名前を変えたら、得票数は1.5倍くらいになる(こともある)んじゃないだろうか。党利党略面での柔軟性のなさは長所でも短所でもあるが、そうしたところを除けば、政策はそれなりに良いものもあるんだから。名前だけを変えるだけでも意味はあると思うんだけどな。


ネット発の話題がこうして政治でも新聞に載るのは、少しずつウェブの力が増大していることを示している。動画配信の力はそれなりに大きい。ただ、興味深いのは、新聞に載るときにはキャノンの社名は出ないところかな。
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by zarathustra1883 | 2008-03-06 01:46 | 政治ニュース

春闘の時間外割増率引き上げ闘争を支持する。

’08春闘・早わかり:時間外割増率 残業抑制に狙い

 今春闘で労働側は、賃上げと同様に時間外割増率の引き上げに力を入れている。連合が賃上げ以外では異例の共闘組織「時間外割増共闘」を電機連合など16産別で発足させたことからも、力の入れ具合が分かる。

 時間外割増率は、残業や休日出勤など時間外労働に上乗せして支払われる賃金の率。法律で平日時間外25%、休日労働35%などが定められている。労働側は月45時間を超える残業を50%に、休日は50%に引き上げを求める。使用者に経済的負担を課し時間外労働を抑制させる狙いがある。

 残業の現状は、過労死の件数が過去最悪を更新し続けるなど依然厳しい。非正規社員の増加で労働時間は週35時間未満の層と過労死の危険性が指摘される週60時間以上働く層に二極化し、30~40代の男性は4人に1人が、月の残業が80時間超の「過労死ライン」で働いている。

 労働側は仕事と家庭の調和を目指す「ワークライフバランス」と位置付けているが、企業側は「収入を求める生活残業が増えるだけ。残業抑制効果は疑問」と否定的だ。

 電機連合の中村正武委員長は「処遇改善ではなく、働き方の改善の要求だ。生産性の向上にもつながる先行投資として考えてほしい」と訴えている。【東海林智】=つづく

毎日新聞 2008年2月22日 東京朝刊


労働側の提案は基本的には支持できる。継続的にこうした方向でやっていくべきだろう。(ただ、割増率以外のやり方もありうる。例えば、一定以上の時間外労働をした場合、強制的に有給休暇を追加するというやり方などもありうるだろう。)

それにしても、経営側の言い分は疑問だ。曰く「収入を求める生活残業が増えるだけ。残業抑制効果は疑問」という。

いわゆる先進諸国の中で日本の割増率は低いそうだ。じゃあ、それらの国では生活残業が多いのかね?日本の残業時間はいわゆる先進国だけでなく、中国や韓国よりも多いそうだ。やっぱり、経営側の理屈は机上の空論というほかない。
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by zarathustra1883 | 2008-02-24 22:13 | 経済・財政