ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
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カシュガルの旧市街を残せ!

カシュガル旧市街に取り壊し通告 ウイグル族「横暴だ」

2008年8月25日20時14分

 【カシュガル=古谷浩一】中国新疆ウイグル自治区のカシュガルで、ウイグル族が集中する「旧市街(オールド・シティー)」を一斉に取り壊そうとする動きが出ている。北京五輪閉幕にあわせるように24日から25日にかけて、地元当局が都市再開発を理由に、住民代表らに早期立ち退きを求めた。ウイグル族側から反発の声が出ている。

 カシュガルの旧市街は、中国で最大級のモスクと言われるエイティガール寺院の周辺に広がる地域。街北部の高台を占める一画にあり、泥などでつくったウイグル族独特のつくりの家々がひしめく。数万人が住むと言われている。

 複数の住民の話によると、地元当局は「旧市街の建物は老朽化しており危険なので取り壊す」と通告。具体的な立ち退き期限は示されなかったが、「早急に立ち退くように」と求めたという。

 カシュガルの人口は約35万人で、うち約8割がウイグル族を中心とした少数民族。残りの約2割が漢族だ。90年代以降、政府が経済建設に力を入れ始めたことで、漢族の商人や建設関係者らの流入が加速し、街の古い街並みは次々と壊されてきた。旧市街は昔ながらのウイグル族文化が残る限られた場であり、多くの外国人観光客も訪れる。

 当局は50世帯分の住居だけは壊さずに保存すると説明しているという。だが、ウイグル族側は、一方的な取り壊し通告は「民族文化の破壊」が狙いだと反発。靴職人の男性は「五輪閉幕にあわせて出て行けと通告してくるとは。民族感情を無視した横暴な行為だ。国際社会の中国への関心が離れるのを待っての措置としか思えない」と語った。

 カシュガルでは、ウイグル族と漢族との間の結婚が勧められているほか、郊外の農村部でもウイグル族の若い女性を自治区外の都市に出稼ぎに出すことが奨励されている。当局はウイグル族の漢族への同化措置を強めているとウイグル族側は受け止めている。


以上、asahi.comより。

ざけんなって感じだ。

地元の人たち(特に「ウイグル族」の人々)が望んでいることなら、取り壊しを容認する余地がある。しかし、その合意がない中で行われようとしているのだとすれば、それは重大な人権侵害である。また、合意があろうとなかろうと、貴重な文化遺産の破壊行為である。

カシュガルの街は歴史を保存しながら発展させるべきである。中国の都市政策・都市計画は、20世紀後半のイタリアを見習うべきであろう。
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by zarathustra1883 | 2008-08-27 01:10 | 中国

チベット問題への諸政府の対応と雑感

チベットの騒乱、中国経済の影響力を前に西側諸国は沈黙か
2008年 03月 20日 16:31

[ロンドン 19日 ロイター] 中国チベット自治区で起きた騒乱では、西側諸国が中国政府の対応を声高に非難する姿勢はさほど見られず、中国経済の影響力の大きさが暗に示される形になった。

 昨年ミャンマーで起きたデモ弾圧に対する反応とは対照的に、チベット騒乱での中国政府の動きに対しては、西側諸国からの批判の声が非常に弱いと専門家らは指摘している。

 米国の保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のジョン・タシク氏は「ワシントンでは中国を例外扱いにする傾向がある」と指摘。中国の専門家である同氏は「ビルマ(ミャンマー)やスーダン、ウズベキスタンがやれば強く非難することを、中国の場合は知らないふりをしたいのだ」と述べた。

 チベット自治区ラサでのデモ参加者と中国当局との衝突による死者数は、中国当局が13人、チベット亡命政府が約100人と発表している。米国や西側諸国は同騒乱で自制を求めたものの、さらに踏み込んだ強い懸念は表明していない。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの中国の専門家は「中国をめぐる人権侵害を声高に言いたくない雰囲気が各国政府にある」と指摘する。

 2003年から年率10%以上の成長が続く中国は、今や世界4位の経済大国。向こう数十年の間には、米国を抜いて世界最大の経済大国になる可能性もある。

 また、中国は原油や金属など資源確保の動きを世界中で進めており、今年2月に国営の中国アルミが米アルコア(AA.N: 株価, 企業情報, レポート)と共同で、英豪系の資源大手リオ・ティント(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)の株式取得に動いたことも記憶に新しい。

<タイミングと経済的相互依存>

 チベット情勢に関する西側諸国の関心は過去にも高かったとは言えないが、米中間の経済的相互依存が強まっている現在では、これまで以上に西側の「不干渉」姿勢が浮き彫りになっている。

 チベットで今回の騒乱が起きたのは、米政府が信用危機や米ドル下落という問題に直面している微妙な時期。約1兆5000億ドルの外貨準備を保有し、その大部分を米国債で運用している中国が米国債の購入をストップすれば、米ドルは一段と下がる可能性がある。

 昨年12月には、中国の政府系投資ファンドである中国投資公司が、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)などの評価損で多額の損失を出した米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)に対し、総額50億ドルの出資を行っている。

 一方、中国も米国や西側諸国への製品輸出を背景に大幅な貿易黒字を維持しており、その点でも両者は経済的に相互依存している。

 欧州連合(EU)では、ブラウン英首相が1月に中国を訪問した際、中国の政府系ファンドからの投資受け入れに前向きな姿勢を示したほか、サルコジ仏大統領の昨年11月の訪中時には、フランス企業が総額300億ドルの契約をまとめている。

 (ロイター日本語ニュース 原文:Adrian Croft、翻訳:宮井伸明)


レアルポリティークの世界では、このように中国への非難は控えめにならざるをえないだろう。道徳的な善悪は別として。(この問題については、右も左も「道徳で政治を語りすぎ」だと思っている。政治についての発言と言うより市民運動としての発言ならそれでも良いのだが、政治ブログの発言の多くは、草の根の運動というにしては左右共にイデオロギー色が強すぎる。ちなみに、左は共産主義ではなく「人権」という名のイデオロギーである。)

ただ、私はチベットの人々に諸手をあげて支持できない点がある。(一応、ウェブ上で署名はした、つまり、基本的にはチベットの人々を支持・支援したいのだが。)それは、最初に暴力を使ったのはチベットの人々ではないのか?という疑いが拭えないからである。(そうではないのかもしれないが、十分に実態が分からない。)

確かに50年前に中国はチベットを侵略したのは事実だろうが、それは昔のことであり、今回の件について、暴力による抵抗をする前に他に手段はなかったのか?少なくともチベットの人々はパレスチナの人々とは異なった境遇にあるはずであり、合法的ないし、もう少し道義に適ったやり方をとれないことはないのではないか?という思いがあるからである。

オリンピックという世界的な注目が集まる時だからこそ、抵抗を示すことが世界からの関心を集める効果があるのは確かであり、だからこそ今回の事件も起こったのだろうが、もう少しスマートなやり方があるようにも思われてならないのである。中国の侵略は中東ほど勢力が錯綜していないのだから不完全ではあっても解決可能だと思うのだが、安易に暴力に訴える勢力が多いとなれば、それも困難になりそうだ。

いずれにせよ、チベットの今回の問題を語るには情報が少なすぎるというのが最大のネックである。事実を知らないのに「とにかく人権侵害を非難すべし」という気にはなれないのだ。


以下、余談。

基本的に今チベットで起こっていることは、ウォーラーステインの世界システム論で言うインコーポレートであると見ることができる。だとすれば、そのうち取り込みが完成すると見ることができる。確かに、「搾取」される側にチベットの人々は立つだろうが、資本主義「世界経済」という世界システムの中での取り込みではなく、むしろ「世界帝国」的なシステム(単一の政治的統治機構)の中での取り込みだから、再配分もそのうち不十分ながら行なわれるはずである。これは19世紀末頃までにインコーポレートが完了した後、20世紀の中葉に「危険な階級」に対する懐柔策としての「福祉国家」が出現したことと同じとはいえないまでも近い現象である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-24 00:51 | 中国

野田市の戦争展後援拒否は理由になってねー!

なんじゃこりゃ?って感じだ。

国民投票法理由に戦争展の後援拒否 千葉県野田市
2007年08月17日15時32分

 千葉県野田市で市民団体が18、19日に開催予定の「平和のための戦争展」をめぐり、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の「公務員による地位利用」にあたりかねないことを理由に、野田市が後援要請を断っていたことが分かった。主催者側は「憲法改正案が発議されてもいないのに、地位利用を理由にするのはおかしい」と納得していない。

 戦争展は、野田・九条の会や同市被爆者の会などでつくる実行委員会が主催し、市中央公民館で今年初めて開く。広島・長崎の原爆写真や野田と戦争とのかかわりなどについて展示。野田・九条の会も訴えをアピールするという。

 後援申請を受けた野田市は7月、後援しないことを決め、実行委に文書で通知した。理由は(1)9条改正反対を訴える内容が含まれ、政治的傾向が顕著(2)発議可能となる3年後に国会で9条改正が発議されるのは必至で、どのような考えに基づく行事でも後援するのは公務員の地位利用につながる、というものだった。

 国民投票法は、憲法改正案が発議されてから投票するまでの間、公務員の地位を利用した運動を禁じている。


っていうか、まだ改正案が発議されてないんだから、地位利用もクソもない

メインブログに書いたが、マジでこの市長(根本崇)は怪しい。
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by zarathustra1883 | 2007-08-21 02:57 | 政治ニュース

日本の人権レベルは北朝鮮から批判される程度か?

日本は北朝鮮からも人権問題を言われるほど人権が認められていないところになっているのかもしれない。こりゃすごい。

以下、asahi.comより。

北朝鮮、久間氏発言を酷評 「ふぬけ者のたわごと」
2007年07月07日02時33分

 北朝鮮の内閣機関紙「民主朝鮮」は6日、久間・前防衛相の原爆投下をめぐる「しょうがない」発言について「ふぬけ者のたわごと」などと酷評した。朝鮮中央通信が伝えた。

 昨年10月、国際社会の声を無視して核実験を強行した北朝鮮だが、記事では原爆投下を「目的がどうであれ明らかに大きな人倫犯罪だ」と批判。「米国の核犯罪行為を唯一の被爆国である日本の防衛相が擁護したのは、日本人から見ても嘆かわしい」などとした。


アメリカの原爆正当化発言を容認している時点で、安倍内閣が「ふぬけ者」ってのは全く正しいことが実証されてしまった。

ただ、北朝鮮政府の発言自体が、(アメリカと同じく)ダブルスタンダードになっていると批判することはできないでもない。核兵器使用が「人倫犯罪」であるならば、自らそれを持つのは矛盾だろう。しかし、政治は悪魔と契約を結ぶことを意味するから、その意味ではダブルスタンダードともいえないのかもしれない。ここで金正日がルターの例のセリフ(Politik als Berufの最後に引用されている)を言えるならば、M.ウェーバー的な規準から見れば、北朝鮮の態度は必ずしもダブルスタンダードではなく容認可能ということになる。私がどう判断するかはここでは保留しておこう。

ただ、次の記事の事例は、ある意味、妥当な「人権」の使い方かもしれない。

人権外交を弱者の側から仕掛ける珍しい事例ではないか。逆に言えば、日本の側の人権意識の低さというか日本という社会における人権の扱いの低さ(ナショナリズム以下の扱いになっている)を端的に示す事例かもしれない。

国連で「在日朝鮮人弾圧の議論を」 北朝鮮大使が書簡
2007年07月07日19時06分

 北朝鮮の朴吉淵国連大使は6日、潘基文国連事務総長に対し、日本政府による一連の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の取り締まりが「人種差別と深刻な人権違反だ」と非難する書簡を出した。朴大使は、この問題を国連総会の議題として取り上げるべきだと主張している。

 書簡は、総連関連施設の家宅捜索などが「日本による悪質な北朝鮮の主権侵害だ」と主張。「朝鮮人の民主的な権利を守る総連の活動の中枢を物理的に壊滅させようとする動きだ」と糾弾した。

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by zarathustra1883 | 2007-07-12 02:01 | 朝鮮半島

日本はもはや法治国家ですらない

日本の現状は、もはや法治国家ですらない。ここまで腐りきっている以上、自衛隊をイラクに派兵することを決めた自民党は一度下野して頭を冷やすべきだろう、と言っておく。

中国新聞より。

自衛隊が市民団体監視 情報保全隊の「内部文書」 '07/6/6

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 共産党の志位和夫委員長は六日午後、国会内で記者会見を開き、陸上自衛隊の情報保全隊が作成した「内部文書」を入手したと発表した。

 自衛隊のイラク派遣などに反対する全国の市民団体や、ジャーナリスト、宗教団体などの動向を調査した内容。デモや反対集会などの様子をまとめたものが中心で、共産党が文書に基づき調査した結果、事実と異なる例は一例もなく、文書は信ぴょう性が高いと判断した、という。

 志位氏は「内部文書は国民のあらゆる運動を監視し、詳細に記録していたことを示している」と指摘、自衛隊法に根拠がない違法な活動であり直ちに中止することを求めた。

 文書は(1)陸自東北方面情報保全隊が収集した情報を週単位で一覧表として取りまとめた二○○四年一月から二月までの一部の「一般情勢」など(2)情報保全隊本部が作成した○三年十一月から○四年二月までの一部の「イラク派遣に対する国内勢力の反対動向」―の二種類。計十一部、百六十六ページで、個人名を黒く塗りつぶした上、報道陣に公表した。

 イラク関係だけでも、市街地などでの活動で監視対象となっているのは全国四十一都道府県の二百九十三団体・個人で、高校生も含まれ、参加者の写真なども添付されていたとしている。

 ジャーナリストの取材状況や市町村議会の決議の経緯なども分析されていたという。

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by zarathustra1883 | 2007-06-08 00:28 | 政治ニュース

携帯電話による監視は既に行われている!

◆JANJAN「携帯番号が“背番号”に 移動履歴監視の怖さ」 2007/06/01

http://www.janjan.jp/living/0706/0705316449/1.php

なかなか衝撃的な記事かもしれない。

携帯電話は既に警察の捜査でも大々的に使われている。共謀罪の地ならしは既にできている
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by zarathustra1883 | 2007-06-03 13:13 | 政治ニュース

自衛官のパワハラ事件と戦争責任関連問題のこと(メモ)

先日、「北海道の航空自衛隊通信基地の女性自衛官(21歳)が、上司に強姦まがいの行為をされ、しかも被害者である彼女にいじめ・退職強要などのパワーハラスメントが半年以上にわたって行なわれた」として国家賠償請求訴訟が提起された。

この自衛隊内部の女性暴行(セクハラ+パワハラ)事件は、近年話題になっている歴史や戦争責任に関する諸問題にまつわる言説の性質を照らし出す事件であると私には思われる。

まず、強姦まがいの行為があったとされているが、このことは「慰安婦」を連想させるのだが、ここからは次の点を述べておきたい。

平時においてさえ組織内で強姦が行われるような組織が、遠方の占領地において、より弱い立場の人間たちに囲まれている状況で、現地の女性らを相手に同じようなことをする輩が現れないと信じるのは理に適っていない、というべきである。そして、「慰安所」はそうした事件が起きないようにするために用意されたと言われている。

**********

次に、女性自衛官が相談した上司の対応が、まさに「慰安婦問題」における安倍ら(修正主義者)の態度と共通しているところがある。

主たる共通点は、認めたくない事実ないし不都合な事実があると権力を使って隠蔽しようとすることである。そうすることで、組織の内部であれ外部であれ、個人の人権よりも「組織(自衛隊/政府)」の保身を優先しようとするわけだ。

軍隊(実力組織)は、重大な危機のときには、「軍隊」自身を守ることを最優先する。それ以外のときには、基本的に「権力者」に奉仕する。決して「国民」を守ることは第一義になることはない。「軍隊は国民を守るためのものだ」という言説は所詮、建前に過ぎない。すべての有権者はこのことを、冷静に見据えなければならない。

ちなみに、憲法九条という「偉大なる建前」を「時代に合わない」とか「実情に合わない」という屁理屈によって壊そうとする人間が――この代表は安倍晋三だが――、この建前を認めようとしないとすれば、それは最高に褒めても「ご都合主義」でしかなく、「詐欺師」や「嘘つき」というべきだろう。ただ、「建前」はそれ自体では「絶対的悪」ではない。しかし、リアルな世界の動きと建前とは、常に緊張関係を持つものであることは認識し、その上でどのようにその緊張関係をどこの点でバランスさせるか、適切にコントロールするか、といったことが問題となる。

また、上述の原則は、沖縄の辺野古に海上自衛隊が派遣されたという現在進行中の事件とも一致するということも銘記すべきだ。

何より、今回の事件は、まさにそうした軍隊に関わる半ば普遍的な構造が、自衛隊という組織にも平時から存在していることを示す事件だと言うことができる。(もう少し正確に言えば、M.Weberが"Kritische Studien auf dem Gebiet der kulturwissenschaftlichen Logik "(文化科学的論理の領域における批判的諸研究)で述べる意味での「認識根拠」である。)


**********

さらに慰安婦問題言説と関連付けて論を進めてみる。

今回の事件では、被害者の上司は、被害者を泣き寝入りさせることで、事件をもみ消そうとしたようである。この場合、果たして自衛官の強姦を組織として放置することを認めた「書類は存在しない」ということが、自衛官の強姦(未遂?)という「行為がなかった」ということの証拠になるかどうか考えてみよう。冷静に考えれば、「慰安婦を強制した証拠がない」ということが(その証拠がないことを認めた場合でも)「慰安婦を強制した事実がない」ということを意味しないことが容易にわかるはずである。

まず、事実を示す証拠というものは、文書の有無と同一ではなく、文書がある場合でさえ文書とその他の証拠との整合性などが問われるのであって、単にそれ自体が事実を証明するのではないからだ。(例えば、『ギルガメシュ叙事詩』という文書があるからといって、それがそのまま単純にギルガメシュという人物(神人)が実在したことの証拠になるわけではないのと同じである。歴史的事実の確定とは、遥かに繊細な作業の後にようやく到達できるものであって、修正主義者のような粗雑な議論で片付くものではない。)

もちろん、あることについて「書かれた文書が存在しない」ということが、「その事実が存在しない」ということを意味するわけでもない。例えば、それはエジプトのピラミッドを建設した設計図が存在しないからといって、「ピラミッドは人間が設計したとは言えない」などと信じる人は、まずいないだろう。

しかし、慰安婦問題では「強制はなかった派」は、こんなことも分からずに「文書としての証拠がない」と言って騒いでいるように見える。もう少しまともな議論もあるのだろうが、ネット上での「修正主義賛同者」の意見や政治家が言っていることの理念型を構成すると、ほぼこれに近い議論になってしまう。こんなヘタレな議論に賛同する者がいることの背景として「そのような結論を欲する心理状態である人間」がそれなりの数存在するらしい、ということは(前から分かっていたとは言え)再確認しておこう。

それから、上と同じ系統の言説だが、「慰安婦の証言は信用できない」ないし「証言は証拠にならない」と言っている人間には、差し当たり、今回の事件で被害者であると主張する女性自衛官が、(恐らくは、勇気を振り絞って)証言することも信じないつもりなのか?と言っておこう。(なお、論理的に言えば、個々の証言を否定するためには、それら個別の証言について、それを否定するだけの根拠をもってしなければ、論証としての体をなさないのであり、その意味で「信用できない論」「証拠にならない論」は一般論としては、そもそも論証として無効なのだが、それでも「バカ派」――ここでは、この語のもともとの範囲をさらに拡張して適用するが――には、その程度のこともわからんようなので、一応言っておく必要はあるのかもしれない。)


*********

ついでに、ほとんど余談だが、「慰安婦はいても、『従軍』慰安婦はいない」というタワゴトもあまり意味がない。例えば、エジプトではピラミッドのことを「ピラミッド」と呼ばず、「アル・アフラームAl-ahram」と呼ぶが、だからといって「あの石造建造物」が存在しないことを意味しないというのに近いと言っておく。つまり、名前が変わったことで実際に起こったことが変わるわけではないのだ。「従軍」という語は、「軍隊に所属または従属して戦地へ行くこと」なのだから、軍隊の一部かどうか、直接的な命令や強制があったかどうかは関係がない。「軍隊とは一切関係がないのに戦地に行く」のでなければ、この語は意味をなすのである。

今回の自衛官の事件でも仮に女性自衛官の言うことを信じるとしても、いくらなんでも自衛隊の上司が命令して強姦を行わせたわけではないだろう(と思う)。しかし、そうであっても、勤務中に呼び出したり上司に相談後には異動を命じられたりなど、自衛隊の組織に属する権力が多様な場面で使われている。その意味で自衛隊という組織がもつ権力が関わっているのだから、自衛隊という組織が完全に無関係で無罪だとは言えない。つまり、原因の一角をなしていると言え、責任を帰すべき理由があると考えられる。彼女の発言を信じるならば。(この部分の論証は、細かい記述は省略しているが「客観的可能性判断」を使っている。)

それと同じように、いわゆる「従軍慰安婦」にも同様に、軍隊組織やその周辺に関連組織に属する権力が作用して強制的な強姦が行われたのであれば、軍に関連しており、軍に責任が帰される理由も存在する。(因果帰属と責任帰属には不連続的なところがあるが、その部分の記述は割愛する。)それを示すために「従軍」という接頭辞があることは妥当であると言える。

歴史を語るならば、それも自分の説が正しいと言い張るのならば、最低限の学問的なリテラシーを身につけてから語ってもらいたいとバカ派の諸君には言いたい。そのリテラシーには技術的なものだけでなく、事実に対する謙虚さという「ものを見る際の姿勢」も含まれると言っておこう。

以上、基本的に女性自衛官の訴えが正しいと前提した上で、いわゆる従軍慰安婦問題と(完全に同じ状況ではないことは承知の上で)重ね合わせて考えてみた。まとまりのない文章になったが、とりあえず、メモしておく。

女性自衛官の訴えが実際には正しかったとしても、今回の賠償請求が通るかどうかは分からないが、この女性の人間としての尊厳を損なわない結果が得られることを望む。


【参考記事】

女性自衛隊員が国を提訴=「セクハラ被害で苦痛」-札幌地裁5月8日18時30分配信 時事通信

 北海道内の航空自衛隊施設に勤務する女性隊員が、同僚の男性隊員からセクハラ行為を受けた上、相談した男性上司からも退職を迫られるなどし精神的苦痛を受けたとして、国を相手に慰謝料など約1100万円を求める訴訟を8日、札幌地裁に起こした。
 訴状によると、女性隊員は航空自衛隊の北部航空警戒管制団第四五警戒群(北海道当別町)に勤務していた昨年9月、夜勤中の男性隊員(32)に呼び出され、ボイラー事務室で体を触られるなどのセクハラ被害を受けた。女性隊員は被害を男性上司に相談したが、外出許可を受けられなくなり、退職願を出すよう迫られた。
 航空自衛隊の警務隊は今年2月末、女性隊員の被害届を正式受理した。 

最終更新:5月8日18時30分


次は北海道新聞より。

わいせつ被害の空自女性隊員 国に1100万円賠償請求 札幌地裁(05/09 00:22)

 同僚男性からわいせつ行為をされ、被害を相談した上司から逆に退職を求める嫌がらせを受けたとして、道内の航空自衛隊の部隊に所属する女性隊員(21)が八日、国を相手取り、約一千百万円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。原告代理人の弁護士によると、現職自衛隊員が国を訴えるのは異例という。

 訴えによると、この女性は昨年九月、勤務中に泥酔していた同僚男性(32)から基地内で押し倒され、無理やり体を触られるなどした。女性は上司数人に相談したが「退職願に(印鑑を)押せよ」「ここまでこじれたら、自衛隊ではやっていけないんだよ」などと、逆に約半年間にわたって嫌がらせを受け続けた。女性は上司に男性の退職か転勤を求めたが、基地側が適切な措置を取らず、長期にわたり精神的苦痛を受けたとしている。

 女性は「私は加害者や上司を許すことができません。被害者が泣き寝入りする現状があってはならず、現職のまま戦います」と書面でコメントした。代理人の佐藤博文弁護士も「自衛隊には、世間では理解し難いようなハラスメント(嫌がらせ)がある。今回の訴訟は、氷山の一角にすぎない」と強調した。

 これに対し、女性が勤務する基地は、警務隊が今年二月から強制わいせつの疑いで捜査していることを認めたが、退職の強要については「あったかどうかも含め、部内で調査中」と説明。訴状については「正式に受け取っていないので、コメントできない」としている。


【続報を追記】

◆JANJAN「女性自衛官のパワハラ訴訟 職場は替わったが」2007/06/01
http://www.janjan.jp/area/0706/0705310414/1.php
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by zarathustra1883 | 2007-05-14 01:35 | 政治ニュース

政府による人権抑圧~原爆症認定の事例

JANJANの記事。日本政府による人権抑圧・人権蹂躙の一例である。首相を含めた閣僚の発言は既に行われているこうした「人権抑圧の追認や促進」にすぎない。

はやく原爆症認定を・被爆者の訴え
http://www.janjan.jp/government/0703/0703010852/1.php
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by zarathustra1883 | 2007-03-06 03:20 | 政治ニュース