ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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【橋下痴事】 喫煙所をやめるという愚行について

先日のエントリーでも取り上げたのだが、橋下痴事は、府役所で仕事中の喫煙を禁止し、喫煙所を撤去する方向で検討を始めたという。

これに関して、オフィスの空間の使い方やその空間が人間関係に与える影響などの観点から次の論考は大変参考になるので、記録しておきたい。ここには文章を全文引用しておくが、以下のURLには、オフィスの写真も多く掲載されており、より深く理解できるので、そちらも是非参照して欲しい。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/office/column/20080325/517618/

岸本章弘の「世界のオフィスに学ぶ」

仕事に役立つ“非仕事空間”を充実させる、Swedish Postや米TBWA/Chiat/Dayなど


 「オフィスは何をする所か」と尋ねられたら、ほとんどの人は迷うことなく「仕事をする所」と答えるだろう。では、具体的にどんな空間が必要だろうか。

 一般に、まず中心となるのは、デスクワークのための空間や、会議などのテーブルワークのための空間だろう。これらに伴って、コピー機などが並ぶサービスのための空間があり、来客などに応対するための空間がある。

 さらには、交流のための空間や飲食のための空間も必要となる。ただし、交流や飲食が目的だと「仕事のための空間」という認識は低くなるようだ。多くの人は、「そこにいると仕事をしてないように見られる」と感じ、ランチタイム以外の時間を過ごすことに、ためらいや後ろめたさを感じる。

 なぜ、後ろめたさまでを感じさせる空間がオフィスにあるのか。それは、オフィスワーカーの生活に役立つし、必要だからだ。中には、交流や飲食を目的とする空間を「必要悪」のように考える人もいるようだが、そんな解釈は無用だ。「仕事」をする場所でなくても、十分に仕事に役立つことはあるからだ。そんな事例を見ていこう。

出会いと交流の場所

 知識創造におけるインフォーマルなコミュニケーションの重要性が、頻繁に説かれている。それを促すための空間の代表として、キッチンやカフェ、あるいはダイニングといった空間が挙げられることが多い。

 確かに、飲食は誰にとっても不可欠で、楽しみでもある。そのための場所に集まった人々はリラックスしていることが多い。そこでの交流が一体感を醸成し、メンバー間の情報の交換と共有につながる。

 そんな効果を期待して、スウェーデンの郵便事業会社Swedish Postは、ストックホルム近郊のソルナにある本社オフィスの飲食スペースを充実させた。

 約1200人が入居する本社ビルの最上階に、セルフサービスの400席のレストランがある。レストランの入り口脇にはキッチンがあり、自宅から持ってきたランチを温めるために25台の電子レンジが置かれている。自席ではなく、レストランで同僚たちと同席することによって、コミュニケーションを促そうというアイデアだ。

 本社ビルでは、エスカレーターがメーンの動線となっている。その脇にあるカフェテリアは、ちょっとしたミーティングにも便利な場所だ。このほか、給仕サービス付きのビストロもあり、来客とのランチなどによく利用される

 各部署の執務エリアに行くと、入り口付近には必ずミニキッチンやコーヒーマシンが設置してあるほか、喫煙室もある。その隣の小さなラウンジでは、午後のお茶の時間になると、社員がテーブルを囲む姿があちこちで見られる。

 こうした施設の充実も含めて、チームワークを重視したオープンオフィスをつくった結果、入居から2年を経た時点でも不満はほとんど出ていないそうだ。

気分転換と回復の場所
 
 終日、仕事していると疲れるもの。適度の休憩が必要だ。気分を切り替え、疲れを癒やし、やる気を取り戻すことは、より生産的あるいは創造的に働くために有効なことである。

 その手段はいろいろあるが、スポーツのようなアクティブなものは、専用空間だけでなく、道具や器具も必要になるのでコストがかかる。それでも、皆とプレイする種目なら、気分転換だけでなく、仕事のチームづくりにも役立ちそうだ。さらに、クライアントも巻き込めれば、ビジネス上の効果も計り知れないだろう。

 米国の広告代理店TBWA/Chiat/Day。ロサンゼルスにある同社のオフィスの中央に、バスケットボールコートがある。フルサイズで本格的なゲームが楽しめる空間だ。その周辺には、サーフボードを置いたバーカウンターのほか、本物の砂を敷き、木を植えた「セントラルパーク」と呼ぶスペースがある。

 このオフィスに移転して変わったことの一つが、クライアントがオフィスに来てくれるようになったことだ。あえて午後にミーティングをセッティングし、終了後に仕事を切り上げて、共にゲームを楽しむこともある。

 それまでは、クライアントのオフィスに出向くことが多かった広告代理店の担当者にとっては、移動時間や交通費の削減はもちろんのこと、頼りになる多くのスタッフが控えた社内でプレゼンテーションに臨める。“アウエー”ではない“ホーム”の利点が最大限生かせるわけだ。

未来を考える仕事の場所

 より高度な仕事のために、「普通のオフィスらしくない場所をつくる」という考え方もある。その代表は、「フューチャーセンター」などと呼ばれる場所だ。新しいアイデアを生み出し、革新的な解決策や新しい事業を構想する。いわば、仕事の未来について考える場所だ。

 1990年代半ばにスウェーデンの保険会社Scandiaが始めたこのコンセプトは、今ではヨーロッパ各国の企業や政府機関に広がっている。それらの施設に共通する特徴は、日常のオフィスから離れた場所に、普段と違った快適で楽しげな空間を設けていることだ。

 例えば、自然に囲まれた民家や古城の中に、家庭的な暖かい空間や、アートを取り込んだ楽しげな空間をしつらえている。利用者はチームで参加し、遊びの要素やリラックスした食事の時間を織り交ぜながら、ハードなワークショップ(研究集会)などに取り組む。チ―ムでアイデアを出し合って、課題に対する解決策を見いだす。

 日常のオフィスから離れた新鮮な環境に身を置き、日々の仕事の作法や思考のバリアを取り払う。そうして柔軟な発想で、知を結集して革新を起こそうという狙いだ。

 こうした事例をみると、執務デスクや会議テーブルがない場所を“非仕事空間”と考えることは間違いだと気付かされる。
機械の組み立てには生産ラインや工具が、効率的な事務作業のためにはデスクや椅子がそれぞれ必要となる。革新的な発想のためには、快適で自由な空間が必要なのだ。

ビジネスを支える多様な空間

 確かにオフィスは仕事をする場所だ。しかし、仕事は多様であり、変化もする。もはや事務作業だけが、仕事の中心ではなくなっている。知識が主導するグローバルなビジネス環境下で、競争力のある製品・サービスをタイムリーにつくり出そうとするなら、人々が持つ多様な知恵や知識を迅速かつ臨機応変に組み合わせることが重要だ。

 そのためには、互いの人柄を知り、信頼関係を築き、理念や問題意識を共有する。そのうえで、課題に対して集中して協働できる組織が求められるはずだ。もちろん、協働する相手は社内だけとは限らない。

 そんなふうに組織を育て、人々を集め、仕事を支える。ビジネスの成功と仕事人生の充実を両立させるために、オフィスを効果的に活用すべきだろう。

 オフィスに入るとき、人は自分のスイッチを切って、仕事専用ロボットになる。仕事を終えて外に出ると、スイッチを入れて人間に戻る――。これは、ちょっと極端な例えかもしれない。

 仕事専用の空間しかないオフィスというのは、そんなロボットが働くような場所ではないだろうか。だとすれば、仕事のための空間がかえって仕事の質を落とす、といった皮肉な状態に陥りかねない。


 厳しい競争を勝ち抜きながら、チームが生き生きと働きけるような場づくりを望むなら、仕事以外の空間の充実は、オフィスづくりの重要な方策の一つとなるはずだ。

(編集部注:連載「世界のオフィスに学ぶ」は今回で終了します)


これについてのコメント。

◆問題の「喫煙所」は、以上のような事例と同等とは言わないが、類似した機能を不十分ながら果たす場所のひとつだと思われる。では、それをなくするのが良いのかどうか?

◆また、「あえて午後にミーティングをセッティングし、終了後に仕事を切り上げて、共にゲームを楽しむこともある」というのは、橋下と正反対の発想であることがわかるだろう。橋下が言うとおりにしたら、この文章の結末にあるような帰結になる。すなわち、「仕事専用の空間しかないオフィスというのは、そんなロボットが働くような場所ではないだろうか。だとすれば、仕事のための空間がかえって仕事の質を落とす、といった皮肉な状態に陥りかねない」

◆それから、あまり脳の働きがよくない人は、公務員とそれ以外について正反対の反応をする人がいるのだが、その際、公務員は何かと税金で彼らの給与がまかなわれているということが、彼らへの「締め付け」が正当化される(表向きの)理由とされることが多い。

その主張は、もし、公務員が全く何の給付も行なっていないというならば、懲罰的な意味として理解できる。しかし、公務員は彼らの行なうべき行政給付を行なっている。公務員バッシングをする際、その人はこの事実を見ようとしない。

日本の場合は、行政が行なうべきとされる給付水準が低いため――その給付水準を決めているのは究極的には「主権者」であって、それは有権者自身である。そのことについて公務員に罪を擦り付けたり、言い訳したりすることはできない――そもそも給付がなされているという実感が湧かないために、「何も給付が行なわれていないかのような錯覚」がまかり通っているのである。つまり、公務員バッシングの担い手達は、自分自身の「自業自得」の罪を公務員に押し付けているだけなのである。

しかし、実際には(100%有権者の満足がいくようにではないとしても)一応、なすべきことを行なっているならば(実際やっているのだから)、公務員の給与を税金でまかなうからといって、全く余裕がなく、息抜きをする場所も手段もないような、非人間的な労働環境で働くべきだと言うのは、不当であると言っても不可解ではないだろう。

だからこそ、本文でも次のように言われている。

このコンセプトは、今ではヨーロッパ各国の企業や政府機関に広がっている。それらの施設に共通する特徴は、日常のオフィスから離れた場所に、普段と違った快適で楽しげな空間を設けていることだ。


そう。オフィスの空間を狭義の仕事のみに限定せず、より人間的な生き方と繋がるようにした方がよいとする考え方は、ヨーロッパでは政府機関(つまり公務労働)にも広がっているのだ!

なお、ここで述べられている発想は、1月くらい前にウェブ上で話題になった次の記事で述べられている「ヨーロッパの労働者(官僚)が忙しくない理由」ともシンクロしていると思う。

ヨーロッパ人が忙しくない3つの理由
ヨーロッパ人が忙しくない追加的理由
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by zarathustra1883 | 2008-03-31 02:08 | 政治ニュース

【今週の橋下ウォッチング】 代用監獄、テレビ出演、エリート教育

なんか日曜の夜の恒例行事になってきた今週の橋下ウォッチングなんだが、今週もやってみよう。

橋下知事が代用監獄必要論
2008年03月24日12時52分

 大阪府の橋下徹知事は24日開かれた府議会警察常任委員会で、警察の留置場を本来の拘置所の代わりに使う代用監獄制度について、「治安維持などの点から考えると、実務上の必要性もある」との考えを示した。代用監獄制度は「冤罪の温床になっている」との批判が根強く、昨年5月には国連の拷問禁止委員会が日本政府に改善を求めている。

 「国の拘置施設の整備が遅れているので、警察の留置施設を代用しなければいけない実態がある」という委員の指摘に対し、橋下知事は「単なる収容能力の問題に限らない。事案の真相解明という観点からも考慮する必要がある」と述べた。


冤罪の温床になっていると批判されている代用監獄を「事案の真相解明という観点からも考慮する必要がある」ってどういうこと?なんかよくわからんな。

橋下痴事は、何でも力で押さえつければ問題が解決できると思っているんじゃないのか?はっきり言って、これは知恵を使って問題を解決したことがない――要するにバカな――人間が取りがちな態度だ。


テレビ出演は公人?私人? 橋下知事、出演料めぐり激論
2008年03月24日22時37分

 24日に開かれた大阪府議会の総務常任委員会で、橋下徹知事のテレビ番組の出演料をめぐり、激しい議論が交わされた。「24時間365日、公人というなら出演料を取るべきではない」と迫る民主党府議に対し、橋下知事は「24時間365日、私人でもある」と反論。公務かどうかは内容によって個別に判断していく考えを示した。

 民主党の半田実府議が、6日の本会議で橋下知事が「24時間365日公人」と答弁したことに触れ、「すべて知事の立場で(テレビに)出ることになるから出演料は取らないのが良識だと思うが」と問うた。

 これに対し、橋下知事は「(公人と私人の)両方の立場を併せ持っている」として、「発言内容や番組内容を個別に判断したい」と述べた。

 府広報室では(1)報道番組出演は公務(2)バラエティー番組は非公務(3)それ以外の情報番組は番組内容に応じて判断――との目安を設けている。知事就任後、出演した20番組のうち非公務としたのは4番組あり、出演料は知事の個人収入。近く人気番組「SMAP×SMAP」にも非公務で出演する予定だという。

 東国原英夫知事のテレビ出演が多い宮崎県は、県のPRになるかどうかなどを基準に公務かどうかを秘書広報課の職員が判断する。東京都の石原慎太郎知事は政治家として出演する例がほとんどといい、謝礼について「都は関知していない」(都秘書課)という。


橋下の薄汚さ、意地汚さがよく出ているな。「24時間私人でもある」という発言は完全に誤りではないか?公人になった以上、24時間365日私人でもあるなんてことはありえないだろう。そんなのは下っ端の公務員でさえそうだと思うんだが、橋下には自分が公務員だという意識なんてサラサラないんだろうな。

私が橋下の立場だったら、あんなに財政再建に目くじらを立てて、カラーコピーも使わないようにさせるんだったら、24時間365日公人としてテレビに出て出演料を公人として歳入(諸収入の項目)に入れるけどな。

実際、橋下は2月6日に初登庁したとき、「皆さんは『破産会社』の従業員であるという、その点だけは厳に認識してください」と言ったそうだが、橋下は自分がその「破産会社」の社長であるという認識はないのだろうか?「会社」はそっちのけで自分は高収入の副業をやっているヒマなんてあるんだろうか?ま、この件からは橋下痴事が、どの程度、本気で政治や行政のこと(つまり、公のこと)を考えているのかがわかるってもんだ。

(→この意見をみんなで大阪府役所に送ったら、結構効くんじゃないか?とか、今、思いついた。)


まぁ、大阪府など自治体が「破産会社」である、というレトリックは完全に誤った観念であり、企業の倒産と自治体のいわゆる「倒産」とは全然意味が違う(ついでに言うと「赤字」の意味も全然違う)のだが、このような初歩的なことも橋下は知らないのだろう。しかし、こうした誤った観念であっても、自ら公の場で語り、職員にそれ相応のことを求めている以上、橋下自身が模範を示してもらいたいものだ。この観点からも、上記の私の案(メディアの出演料は歳入に繰り入れるべき)は支持されるだろう。

なお、企業と行政の破産に関しては、こちらのブログ(Dead Letter Blog さん)が大変鋭く、ポイントを突いた記事を公開されているので紹介させてもらう。是非読んで欲しい。


“公立エリート校”構想 今夏に検討着手 効果に疑問の声も
3月29日12時59分配信 産経新聞

 大阪府の公立高校入試の学区制を一部進学校に限って廃止し、成績優秀な生徒を府内全域から集める“公立エリート校”づくりを目指す橋下徹知事のプランについて、府教委が今夏、実現性の有無や効果に関する検討に着手することが29日、分かった。

 橋下知事はこれまでの府教育委員との懇談で、「府内全域から成績優秀な生徒が集まれば、東大、京大に300人の合格者を出す学校も出てくるだろう」と主張。「(トップ校の)大手前高校、北野高校などに限って学区をなくしたい」との意向を示している。これを受けて府教委は7月にも、関係課で協議し、「橋下プラン」の検討を行うことを決めた。

 ただ、現場では効果や実現性を疑問視する意見が根強いのも事実だ。

 ある府立高校長は「大阪では各学区にそれぞれ、地元では名門とされる進学校がある。学区を取り払ったところで、府南部の中学生が北部の高校を受験するといったケースはあまりないのではないか」。府教委によると、橋下知事の構想に関する校長らから問い合わせは皆無に近く、「ピンとこない」というのが現場の本音のようだ。
 また、中学校からの反発を懸念する見方もある。

 大阪府の公立高校入試には、専門学科や総合学科が中心の「前期」と、全日制普通科が中心の「後期」の区分がある。トップ校の多くは後期で行われており、学区制を廃した場合、試験は前期へ移行される可能性が高い。

 府教委幹部は「前期で早々と合格、3学期の授業に身が入らない生徒への懸念があるのに、さらに前期の高校を増やすとなると、反対意見も出かねない」と予測する。
 綛山(かせやま)哲男教育長は「知事の意見を含めて検討し、秋ごろには骨格を示したい。知事がおっしゃる通りになるかどうかは今後の議論次第」と話している。
     ◇
 大阪府の公立高校学区は昭和25年に13学区でスタート。その後、5学区、9学区と変遷し、平成19年、34年ぶりの再編で現在の4学区となった。学区撤廃も視野に入れての検討だったが、学校間格差拡大への懸念から見送られた経緯がある。橋下徹知事は「公立高校の多様化につながる」として選挙戦では学区撤廃を訴えてきたが、就任後に方針を変更、一部進学校に限って学区をなくすプランを示した。

最終更新:3月29日13時24分
産経新聞


これは「浅はか」というほかない。

教育に競争は有害無益である。競争はさせようとしなくても自然と機能する部分があるし、「学力」をどのように定義するにせよ、勉強をする際に重要なのは、他人との比較における競争ではなく、学ぶ対象自体への興味の強さだから、競争などさせる必要はないのである。(むしろ、他人との比較に子供の関心が向かうと、学ぶ対象への関心が相対的に低下するし、他人との比較で一喜一憂することになりがちだから、モチベーションも下がるため、その場しのぎの「おベンキョウ」しかしないことになる。)この点に関しては私の以前のエントリーでかなり好評なものがあるので、それにリンクしておきたい。

稲垣佳世子、波多野誼余夫 『無気力の心理学 やりがいの条件』(その2)

また、生徒ではなく教師や学校を競争させると、教師や学校が生徒の方を向かなくなるから、有害な結果しか生まないということも付け加えておく。
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by zarathustra1883 | 2008-03-31 00:50 | 政治ニュース

中国の格差問題について

チベット騒乱は氷山の一角 (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080326/151316/?P=2

張氏によれば、「西部では都市と農村の所得格差が国全体の数字を上回っている。しかも格差は広がるばかりだ」。

 大規模なインフラ整備事業でも、地方を潤すどころか民族間の緊張を悪化させる場合も多い。建設費40億ドルの青蔵鉄道(青海チベット鉄道)がいい例だ。2006年7月の開通後、新たに漢民族の移住者がチベット自治区に押し寄せ、ただでさえ少ない就職口を地元民と争うことになった。

 新疆ウイグル自治区に数十億ドルかけて建設されたパイプラインは、イスラム教徒の居住するこの自治区のガス資源を4000キロ離れた上海などの沿岸都市に送り出すためのものだ。

私も今回のチベットの暴動/騒乱の背景には、青蔵鉄道があると思っている。あれによって確実に「中国本土」との摩擦は強まっただろうから。しかし、中期的には、ここから「トリクル・ダウン」がありうると考えている。もちろん、漢民族が優位の状態は変わらないため、チベット人は従属的な位置に置かれ続けるだろうが、それでも全体として経済的条件は改善されるのではないかと見る。そして、経済生活の水準が時間と共に向上するならば、中国に無理なく取り込まれていくことが可能だと見ているわけだ。以前のエントリーでウォーラーステインの理論を持ち出して言ったことはこのことである。

格差縮小ないし再配分政策としての西部大開発は、西安大開発と揶揄されるように西部でも都市部には大きな恩恵がある反面、西部の田舎にはあまり恩恵がないとされている。相対的な格差で言えばもちろんそうなるだろう。ただ、絶対的な水準自体は改善していないわけではない。(先日放送されたNHKの激流中国でも、かつては小学校までしかいけなかった農村の子供も現在は中学校までは行けるようになっているといわれていた。)

貨幣による交換に基づく経済への依存度が急激に上がると、それに伴う摩擦は起きていると思うし、その制度を補完するものとしての社会保障制度が貧弱であるために、極めて問題は深刻だとはいえるが、それらは他の諸外国もかつて克服してきた道であり、必ずしも楽観ばかりはできないとはいえ、解決するのはそれほど難しい問題ではないとも言えるのではないか、というのが私の見方である。

いずれにせよ、中国の国内の情勢は経済問題も政治問題も注視する必要がある問題である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-30 03:10 | 中国

「先進国」の概念

メインブログのエントリーで「原発先進国」と書いたが、私は厳密に言えば「先進国」という概念自体を否定する立場である。だから、この用語は単にレトリックとして用いたに過ぎない。

ただ、原発の技術と運用について、日本の企業はノウハウを他の国々よりも多くもっていることは事実であり、それが「●●先進国」というイメージと重なることは確かであり、一般的な用語法としてはそれほど誤りではなかろう。

ただ、「先進国」という言葉自体、どこか「べき論」が含まれている点には問題がある。後進国とか後発国とか発展途上国とかいろいろな言い方はあるが、要するに「先進国」でない「国」は、「先進国」のように「今後、なっていく」とか「今後、なっていくべき」という観念が含まれていて、そうした一方的な観念を明示せずに含んでいる概念だから、それを批判せずに用いるのは適当ではないということ。もちろん、単位が「国」である点も、引っかかっていることは確かだが、それは今回は措く。
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by zarathustra1883 | 2008-03-30 02:35 | 今日のひとこと

イラクのこと

asahi.comの記事がなかなかよくまとまっているので記録しておく。

イラク戦闘、首都へ拡大 マフディ軍活発化
2008年03月27日06時09分

 イラク南部バスラで25日に本格的に始まった、イスラム教シーア派の反米強硬指導者サドル師の民兵組織マフディ軍の一部による武力攻勢は、イラク治安部隊などの掃討作戦にもかかわらず、26日も続いた。戦闘はバスラ周辺や首都バグダッドに飛び火し、犠牲者が増加。衝突はさらに拡大する様相を見せる。昨年後半以降、治安改善の大きな要因だったマフディ軍の停戦が終わったことで、イラクが事実上の内戦状態に再び陥る可能性も出てきた。

 首都バグダッドでは26日、政府施設や大使館が集中する中心部のグリーンゾーン(米軍管理区域)にロケット弾が着弾し、米国人3人が負傷。AFP通信によると、シーア派の反米強硬指導者サドル師派が拠点にしているサドルシティー地区でも、前日に続く衝突で、民間人4人を含む20人が死亡、115人が負傷した。

 バスラでも戦闘は続いており、中心部の犯罪者収容施設にロケット弾が撃ち込まれた。2日間の合計の死者数は約40人になり、負傷者も200人に達している。また衝突はバスラから周辺都市に広がっている。

 イラクの治安は昨年後半以降、米軍に協力し、国際テロ組織アルカイダの掃討作戦に参加する覚醒(かくせい)評議会の活動や米軍増派、マフディ軍の活動停止による相乗効果で大きく改善した。今年1月には、イラク戦争開戦以来、月間の民間人犠牲者数が初めて500人を下回った。

 しかしマフディ軍の停戦中、バスラをはじめとするシーア派の勢力地域で、対立するイスラム最高評議会(シーア派)の民兵組織などが勢力を伸長。これに不満を募らせていたマフディ軍の過激勢力が分派し、今月半ばからイラク治安部隊と衝突するようになった。

 イラク治安部隊は、治安悪化に拍車がかかる前にマフディ軍の動きを止めるため、掃討作戦を開始。これに米軍も加わっているとみられる。だが武力衝突はむしろ拡大する様相を見せており、治安の一層の悪化は避けられない情勢になってきた。

 イラク治安部隊や駐留米軍は今回の掃討作戦について「サドル師の停戦指示を無視している過激勢力だけを対象にした作戦」と説明。マリキ首相は26日、戦闘を続けている過激勢力に対し、72時間以内に武器を捨て投降するよう呼びかけた。

 一方、米軍の報道官は「イランの影響力がバスラで働いている」と指摘。シーア派国家イランが関与しているとの見方を示した。


■イラク治安改善の3大要素■

●覚醒(かくせい)評議会

 06年半ば、イラク西部アンバル州でスンニ派部族が結成。米軍から武器や給与を支給され、国際テロ組織アルカイダの掃討作戦に協力。

 現在、バグダッド周辺や北東部ディヤラ州にかけて約130の評議会が結成され、約8万人が米軍に協力。

●米軍増派

 07年前半に3万人増派。バグダッドなど都市部を中心にアルカイダの徹底的な掃討作戦を展開。

●マフディ軍戦闘行為停止

 07年8月末、イスラム教シーア派の反米強硬派指導者ムクタダ・サドル師率いる民兵組織マフディ軍が、民間人を巻き込む抗争事件を起こし、サドル師は戦闘行為の半年間停止を宣言。

 今年2月、停止期間を半年間延長することを決めたが、この決定を不服とする組織内の過激勢力を抑えることができず、サドル師は3月に入り、「組織が分裂した」と支持者に公表。


イラクの安定において極めて重要な位置にあるマフディ軍が今後のイラク情勢の鍵を握っているのだろう。

ところで、イラク戦争について興味深い記事を見かけたので、これも記録しておく。

「米国はなぜイラクに侵攻したのか?」
IPSJapan 2008/03/26
http://www.news.janjan.jp/world/0803/0803253530/1.php

米国のイラク侵攻から5年たつが、大量破壊兵器の保有疑惑やアルカイダとのつながりなどはすべて根拠がなかった。米国の真の狙いは、米国が望めば大石油産出国も簡単に征服できるという事実を、中国やロシア、EUなど米国に対抗可能な国々に見せつけ、それらの挑戦をあらかじめ阻止することだとする政権内部の文書が明るみに出た。


サマリーとして以上のように書かれている。いかにもネオコンらしい発想だと言える。力によって他国を威嚇しようというのが狙いだったというわけだ。ネオコンの論理の核心は「力の論理」すなわち、その最も極端な形としては「暴力万能主義」にあると言って良いだろう。

私としては、単純な石油目当てではないだろうと思っていたが、これならありそうな理由だと納得できるものがある。
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by zarathustra1883 | 2008-03-30 02:11 | 世界情勢・外交

行政をチェックする方法についての覚書

「埼玉の“奇跡”、目下進行中 大胆な行財政改革に挑む埼玉県 上田清司知事に聞く」という記事から。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080321/150775/?P=1&ST=manage

埼玉県知事である上田清司へのインタビュー。この人は基本的にネオコン的な傾向が強かったり、統一教会関連組織に祝電を送ったりしていて、私の立場から見るときな臭くて敬遠したくなる人である。

このインタビューでも、客観情勢の変化が埼玉県に有利にはたらいた面があると思われるのだが、そのことを棚に上げて政策が良かったから上手くいっていると自画自賛しているところがあって、なんだかなぁ、という感じではある。

しかし、次の箇所は正しいと賛成できた。メモしておく。

上田 行政は「やったふり」が多い。例えば、商店街の活性化というテーマがありますね。進捗はどうだ、と県議会で質問されると、「はい、セミナーをやっています」「はい、リーダー育成事業を始めました」「はい、街灯の補助金を出しています」という具合に説明します。

 ところが、私が「その結果はどうなったの」と聞くと、もうみんな黙っちゃうわけ。1050ある商店街の中で、県の政策のおかげで売り上げを増やした商店街はいくつあるのか。売り上げの減少が少なかった商店街はどれだけあるのか。それを聞いても答えがない。

 こういったデータがなければ、政策評価なんてできないでしょう。政策評価ができなければ、改善、改革なんてできませんよね。別に数字が目標ではありませんが、ツールとしては数字が分かりやすい。だから、できるだけ数値化するようにしています。張り出しているのは、誰が見ても分かるようにするためです。


行政は「やったふり」が多いというのは妥当な指摘である。

知事というトップが「その結果はどうなったの」と聞くのも良いが、これは人に頼ることになる。人に依存するシステムは長続きしない。この問いを行政システムの中に組み込むことが必要ではなかろうか。

本来は議会が決算をチェックするときに、この問いが発せられることになっているはずなのだが、議員といっても、行政について詳しいかと言うとそうでもない。

では、行政の職員がチェックしたらいいのかと言うと、それも身内には評価が甘くなるし、知っている人のやった失敗を暴露するのは、持続的な組織の中ではなかなか難しいだろう。

「誰が、どのように問いを発してチェックするのか」というのが問題である。

いろいろ考えたが、事業の種類によってチェックの仕方や期間の設定などはかなり変わってくるから、そう単純な問題ではない、ということだけは確かなようだ。ただ、「客観的に確認可能な記録(数字など)を残すことを義務づけること」によって、こうしたチェック可能性を増大させることに大幅に寄与するだろうということは確かである。

床屋政談的な議論よりも、こうした行政学関連の基本的な問題に立ち返ってじっくり考え、行動に移すことの方が重要だと今の情勢では思わざるを得ない。

世に溢れる「バカ丸出しの公務員バッシング」ではなく、「冷静で客観的で建設的な批判」を行なっていきたいものだ。
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by zarathustra1883 | 2008-03-29 23:26 | 政治ニュース

思いやり予算も期限切れ?

北海道新聞より。

思いやり予算の期限切れ迫る 政府に焦り 国会承認めど立たず(03/25 08:02)
 在日米軍基地の従業員給料や光熱水費などを負担する在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する現行協定が、三月末に期限切れとなるのを前に、政府は焦りの色を強めている。新たな特別協定案は民主党などの批判を浴び、国会承認のめどは立っていないためだ。

 藪中三十二外務事務次官は二十四日の記者会見で「日米安保体制に与える意味合いから、早期に承認いただきたい」と強調した。外務省によると、協定が一時空白になっても「給料の支払いなどは先で、すぐには困らない」(関係者)ものの、「長引くとやり繰りできなくなる可能性がある」(同)という。

 現行協定で千四百九億円の日本側負担額は、新協定案では二〇〇八年度は維持するものの、〇九年度以降は四億円削減され千四百五億円となる。また米側の経費の一層の節約努力も盛り込んだ。

 しかし同日の参院予算委員会で民主党の浅尾慶一郎「次の内閣」防衛相は、神奈川県相模原市の米軍家族住宅について「一戸あたり年間三十一万円の電気料金を負担している」と無駄遣いを批判した。

 同党はまだ正式には、新協定への対応を決めていない。在日米軍基地従業員で作る全駐留軍労働組合は新協定案の早期承認を求めているほか、安全保障問題の党内の意見集約がすんでいないためで、同党の対応が決まらないまま、新協定の承認は当分、先送りされそうだ。


ガソリン税ばかりが注目されるが、こちらはどう転ぶか要注目だな。

連想なんだが、「思いやり予算」のような不当な外国援助をやめるには、こういう内政上の問題を理由にするのは悪くない。
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by zarathustra1883 | 2008-03-29 22:42 | 政治ニュース

日本売り

外国人投資家の日本売り鮮明に ブラックマンデー並み
2008年03月21日20時13分

 東京証券取引所が21日発表した東京・大阪・名古屋市場の3月第2週(10~14日)の投資部門別売買状況によると、外国人は4週間連続で「売り」が「買い」より多い「売り越し」だった。売り越し額は9226億円で、米国株の暴落で世界株安となった87年10月の「ブラックマンデー」時の1兆1220億円に次ぐ規模となった。

 サブプライムショックによる金融不安の拡大で、外国人が日本から資金を引き揚げたことが鮮明となった。

 この週は、サブプライム住宅ローン問題で損失を抱えた米証券大手、ベアー・スターンズ社の経営不安が表面化。その後、米銀行大手のJPモルガン・チェースに救済合併された。米金融システムに対する懸念が急速に拡大し、「日本に投資していた米系ファンドも、資金繰りのために一気に株式売却に動いた可能性が高い」(大手証券)とみられる。

 東京株式市場では、11日に日経平均株価が2年半ぶりに1万2500円を割った。13日には外国為替市場で円高ドル安が進み、12年4カ月ぶりに1ドル=100円を突破。企業業績悪化への不安が高まり、週末の14日の日経平均は1万2241円と、前週末比で約541円も値下がりした。


とりあえず、今のところ記録だけしておく。
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by zarathustra1883 | 2008-03-29 22:06 | 経済・財政

死刑と橋下痴事

日本人は「死刑」をなぜ支持するのか?~『死刑』森達也さん【後編】 (我ら、文化系暴走派):NBonline(日経ビジネス オンライン) より、とりあえずメモ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20080324/150969/?P=2

ひとつ言えることは、死刑によってもたらされる犯罪抑止論は、現在においてはほとんど空論であることが実証されているということです。

 廃止国で凶悪犯罪が増えたという前例はほとんどない。スウェーデンやカナダなどでは死刑を廃止した後に、犯罪が減ったというデータすらある。



大体犯罪を犯すときというのは、ある意味では心理的に普通ではない状態なわけで、人間はストレスが強すぎる状況では視野が狭くなり、視点の自由な移動ができなくなるが、少なくとも認知のあり方としてはそういう状態になっているわけだ。そういう状態にまで追い込まれている人間に対して、「死刑があるからやめておこう」などという気がおきるわけがない。そして、そういう気持が起きる正常な心理状態の時には死刑になるような犯罪をすることはまずないだろう。

犯罪を抑止する最大の方法は、こうした対症療法的なやり方ではなく、環境を操作することで発生率を抑えることであろう。デュルケーム的に言えば、犯罪が存在することは社会にとって「ノーマル」な状態だから、それを完全にゼロにするという潔癖症は却ってストレスを高める。犯罪がゼロというのは理想だとしても、現実的にはそうはならないという前提の下で、その発生確率をどのように下げるか、また、犯罪が起きるとしても程度や規模を最小限に食い止めるか、といったことに考えを集中させるべきだろう。その意味でも社会が寛容であることが重要だと思う今日この頃である。

この寛容という問題に関しては、最近「橋下ウォッチング」をしていると、特に強く感じる。今日、橋下がやっていることはプラスになることはなく、マイナスのことばかりなのだが、それを主張するにあたって、非常に良い記事をネットで見つけたので、近々、それを使ってエントリーを書きたいところだ。

ちなみに、「岸本章弘の「世界のオフィスに学ぶ」」という連載の「仕事に役立つ“非仕事空間”を充実させる、Swedish Postや米TBWA/Chiat/Dayなど」という記事だ。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/office/column/20080325/517618/

これは非常に健全な発想に基づいて書かれている文章であり、一読に値する。仕事をする空間についてのお話なので、オフィスの写真が沢山掲載されているのだが、それらの写真を見ていて「こういういところで働きたい」と心から思った。
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by zarathustra1883 | 2008-03-28 02:11 | 社会

中国経済はどこへ行く?

本間文という人の「台北発ITの潮流を読む」というコラムの記事「中国南西部の雪害と、外資系製造業の脱・中国」より。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20080310/295811/?set=bpn

とはいえ、今回の雪害で、深セン・広州地域の製造環境の危うさが露呈したことも確かだ。台湾などの外資系企業の中には、工場をほかの地域に移転させることを検討し始めたところも多いという。

(中略)

 日立製作所やトヨタのように、中心企業の周りに部品製造業が集まり、ひとつの街を形成するケースは日本でも見られる。深センにおけるFOXCONNも、まさにそのパターンだ。工場の敷地内には宿舎はもとより、病院や教育施設も完備され、同社の工場地域にアクセスするための高速道路の出入り口があるほどだ。そのFOXCONNがベトナムに移転するとなれば、多くの部品製造会社も同社とともにベトナムに進出するはず。台湾の大手パソコン製造メーカーもベトナムや、その周辺国への移転を検討し始めている。


先日の韓国企業が中国から「夜逃げ」しているという記事と並んで興味深い。

しかし、短期的にはこの流れはできるかもしれないが、中長期的にはこれが続くかどうかは不透明だ。中国には発展する要因と外資が逃げる要因の両方がある。

中長期的に伸びる要因の一つはこれだ。以下、asahi.comの記事。

サブプライム「中国は影響小さい」 次期世銀副総裁会見
2008年03月16日18時53分

 5月末に世界銀行の上級副総裁兼主任エコノミストに就任する林毅夫・北京大中国経済研究センター主任は北京で記者会見し、サブプライム住宅ローン問題の中国経済への影響について「ないとは言えないが、ほかの国よりかなり小さいと考えている」と述べた。

 中国の金融機関が保有するサブプライム関連証券は「基本的に非常に少ない」とし、対米輸出も「中低価格の生活必需品が主で、経済が悪化しても消費しなければならないものばかりだ」と指摘。「いくぶん減速しても(輸出が)減ることは絶対ない」と強調した。

 世銀での役職は、サマーズ元米財務長官やノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ氏らが就いてきたポスト。林氏は中国を含む発展途上国出身者では初めて就任する。


サブプライム問題に発する金融不安によって他の諸国は多かれ少なかれダメージを受けるが、中国は金融が未発達であるがゆえにこのダメージを免れているようだ。これによって相対的なパワーバランスが中国の側に傾いていくということはありうる。中長期的な流れとして。

このほかに、中国の経済環境で気になるのは、例えば、2008年1月1日から施行された新労働契約法などだ。日本が高度成長期に終身雇用を実現したが、中国もそれに近いシステムを整える方向に法整備をした。法人税の外資への優遇もなくなっていくようだし、そうした制度改正がどのように影響していくかが、今後の中国の経済発展の状況に大きく関わってくるだろう。その意味で目が離せない。

ちなみに、新労働契約法に関しては、クーリエ・ジャポンの4月号の富坂聰のコラムがなかなか興味深かった。この問題についてもう少し掘り下げるとき、再度参照できるようにメモしておく。


【追記】

asahi.comより。

中国銀行、損失95億元でも増益
2008年03月25日19時54分

 中国大手国有銀行の中国銀行が25日発表した07年12月期決算は、当期利益が前期比31%増の562億元(約8000億円)となった。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン関連証券への引当金として約95億元(約1350億円)を損失計上したが、純金利収入の増加などで増益となった。

 同行のサブプライム関連証券の保有高は昨年末時点で49.9億ドル(約5000億円)となり、昨年9月末時点の79.5億ドル(約8000億円)から減少した、としている。

 同行のサブプライム関連投資をめぐっては、香港紙が1月、07年第4四半期に巨額の評価損を計上する見通しと報道。これを受けて上海株式市場が大きく値下がりした経緯があり、この日の決算発表が注目されていた。


サブプライムによるダメージは限定的だと言われていたことを裏付けた形か。
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by zarathustra1883 | 2008-03-24 01:29 | 中国