ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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カテゴリ:今日のひとこと( 48 )

消費税の議論に見る「二大政党制」の問題点

消費税率「自民党の10%を参考に」 菅首相が明言

2010年6月17日23時17分

 菅直人首相は17日、将来の消費増税について、税率と、低所得者ほど負担感が増す逆進性の対策を含む改革案を今年度中にまとめる方針を表明した。税率については、自民党が参院選公約に盛り込んだ10%を「参考にさせていただきたい」と述べた。さらに、改革案の是非を問う解散・総選挙を行う可能性に言及した。

 菅首相は、こうした方針について、17日に東京都内で行われた民主党の参院選マニフェストの発表会見で明らかにした。

 民主党が昨年8月の総選挙で掲げたマニフェストは消費税率の引き上げに触れておらず、当時党代表だった鳩山由紀夫前首相は「私どもが政権を担う4年間、消費税の増税をする必要がない」と明言していた。党代表が菅氏に交代したとはいえ、わずか1年足らずで党の基本政策をひっくり返したことは、党内外の批判を呼びそうだ。

 この日発表された民主党の参院選マニフェストでは、消費税について「早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始する」とだけ書かれている。しかし首相は会見で、具体的な税率について自民党案の10%を参考にする、と踏み込んだ。党内の正式な手続きを経ないまま、首相自身の公約として打ち出したかたちだ。「大きな税制改革を行う場合は、国民に信を問うのがあるべき道だ」とも述べた。

 自民党も17日に発表した参院選公約で、消費税率について「当面10%とする」としており、7月11日投開票の参院選は、2大政党がともに具体的な消費税率の引き上げ幅を掲げて戦う構図になる。

 首相は、具体的な道筋について「政府税制調査会で2010年度内に、あるべき税率や逆進性対策を含む消費税の改革案をまとめていきたい」と表明。さらに「超党派での幅広い合意を目指す努力を行いたい」と、6月11日の所信表明演説で各党に呼びかけた「財政健全化検討会議」で合意を目指す意向を示した。

 一方で、「超党派での法案提出が難しい場合は、民主党が中心になって改革案を取りまとめたい」として、最終的には、民主党単独で引き上げに踏み切ることもあり得るという考えも明らかにした。

 具体的な引き上げ時期について、会見に同席した玄葉光一郎政調会長は「2010年度内に政府税調のとりまとめができ、超党派ですぐに合意したとしても、実際に実施するまでには今から2年以上かかる」と述べ、最速でも12年度秋以降になるとの見通しを示した。

 民主党が17日に発表したマニフェストでは、11年度の国債発行額は10年度を上回らないよう全力をあげる▽20年度までに基礎的財政収支の黒字化を達成する▽衆院の比例定数を80、参院の定数を40程度削減▽11年度に公共事業をはじめとする補助金の一括交付金化――などが柱となっている。また、総選挙マニフェストで中学生までの子ども1人あたり月に2万6千円を支給するとしていた「子ども手当」は、「1万3千円から上積みし、現物サービスにも代えられるようにする」と明記し、満額支給を断念した。


asahi.comより。

消費税の議論について、二大政党制の悪い面が露骨に出ている。すなわち、両方の党が殆んど同じ案を出せば、選択肢が事実上なくなるということである。

もちろん、昨今は小党分立という情勢も他方にはある。大規模勢力が消費税増税で足並みをそろえる場合、「みんなの党」のようなネオリベ勢力が選挙で得票数を増やす可能性が高い。もちろん、すぐに巨大な勢力を得ることはないだろうが、その後の党勢拡大の足がかりを今回の選挙で得ることになる可能性がある。私に言わせれば、非常に悪い方向に向かうことになる。


ちなみに、上の記事で気になったのは、民主党のマニフェストで衆院の比例定数や参院の定数を削減しようとしていることである。比例が減ることで二大政党化はよりいっそう進展し、小規模政党が影響力を持つチャンスは劇的に減少する。意見の多様性が今以上に制限されることになる。また、国会議員の定数が減ること自体が、意見の多様性をそぐだけでなく、政治と金の問題を悪化させるという帰結を導くだろう。なぜならば、企業などは献金する対象が減るため多額の金を貢ぐことができるし、議員側も選挙の際により多くの金を持っている人しか当選できなくなる(当選しにくくなる)からである。
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by zarathustra1883 | 2010-06-22 00:54 | 今日のひとこと

昨今の政治情勢について

最近、自民党が分裂する形で新党などが出てきている。

「みんなの党」、鳩山の離党、「たちあがれ日本」などがそうした動きといえるだろうが、自民党自体が利益分配の力を失ってから極右イデオロギー政党のような色彩を強める中で、さらに右寄りの連中がキャスティングボートを握ろうとして飛び出しているように見える。とりわけ、「みんなの党」のネオリベ、反官僚路線は一部ではやはり分かりやすいようで、支持がじわじわ広がっているようにも見える。「たちあがれ日本」などというふざけた名前の政党が出てきたが、これも極右の国家主義的イデオロギーと消費税増税による財政再建という財政右派の混合というところが自民党の一面をさらに純化させた小政党となりそうな気配である。

現在の選挙制度ではこれらの政党が巨大な勢力をすぐに手に入れることはできないだろう。しかし、左側の政党の存在感が高まらない中で、右寄りの極端な主張のメディア露出の頻度が増えることによって、民意が更に右側(ネオリベや国家主義)に引きずられていくという可能性は高まっているのではないか。安倍政権などの馬鹿丸出しの危なさも次第に忘れられてきている中で、これらの政党の存在感が次第に高まってしまう危険性は否定しきれない。

自民党の崩壊は良いことだが、それが右派の分裂が勢力減少に結びつけばよいのだが…。かといって、民主党の単独過半数となっても困るが、代わりに権力を取るべき勢力がなく適切な政策を掲げる政党がない、または勢力が小さい。昨今の政治情勢は袋小路に入りつつあるように思われる。
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by zarathustra1883 | 2010-04-12 00:33 | 今日のひとこと

「新自由主義の亜種」であり「劣化したマルクス主義」としての「官僚による収奪」論(?)

先日、メインブログで使ったフレーズだが、「劣化したマルクス主義者」というのはなかなか使えそうなフレーズである。

意図せずして新自由主義に迎合する人の大部分は、90年代前半頃に(新自由主義を主張しようとする人々やそれに近い立場の人々が流布させたことにより)流行した官僚批判を転用した言説をよく使う。というか、その言説に便乗している。マルクス主義の教条主義的な解釈では、資本家が労働者を搾取しているという図式がよく語られるわけだが、昨今、官僚を悪であるとする言説の多くは、まさにこうした教条主義的マルクス主義者の「資本家=悪」のレッテルをそのまま「官僚(公務員)=悪」に置き換えたかのような観念に支配されている。「官僚(システム)に収奪(搾取)されている」などというのは、まさにその典型であろう。

マルクス主義では曲がりなりにも搾取がどのように行われているかということについて、事実を叙述したり、メカニズムを理論化したりするという努力が払われていた。理論面では多くの誤りもありながらも、ともかく事実を明らかにしようとする努力(それによって事実を変えようとする)はなされていたのだが、私が「劣化したマルクス主義者」と形容する人々にはその努力すら見られず、印象操作に乗せられているだけであり、主張内容を分析する限り被害妄想的というほかない。

彼ら自身が単に被害者意識を持っているというだけなら別に良いのだが、その被害者意識が集団ヒステリー的に発露すると社会を正しく動かしていくことを妨げることになるので看過できない。特に、労働問題・労働政策を考える上でも相対的に安定した労働モデルを提供している公務労働者の流動化・不安定化は労働環境の更なる悪化につながるということなどは大きな問題である。

仮に「収奪」を述べるとしても、例えば、最近の決算を分析し、この費目のこの部分が官僚により収奪され、どこの懐に入り、それにより税金がどれだけの金額無駄になった、というようなことを実証的に示し、そのような事実があるとすればそれが起こる原因を理論的に説明するなどの努力をするならまだ検討の余地もあるだろうが、残念ながら印象操作に流されただけの印象論以上のものを見たことはない。あるいは天下りや独立法人を問題にするとしても、例えば、それが現在の財政赤字の構成要因として、どの程度の割合になるのかを実証的に示した後に、それが発生するメカニズムを解明し、然る後に初めて「収奪」と言えるものがあるかどうかが分かるはずなのだが、事実確認をせずに自分の気に入らないところに流れた金はすべて「無駄」であり「収奪」されたものと決めつけているような粗雑な議論ばかりである。

そうした「劣化した」議論はもう不要だと思う今日この頃である。
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by zarathustra1883 | 2010-03-29 23:58 | 今日のひとこと

オリンピック関係の放送は大本営発表?

オリンピック関係のテレビ放送を見ていていつも気になることがある。

日本の選手ばかりが取り上げられ、客観的にはメダルをとる可能性はそれほど高いわけでもないのに、あたかもメダルを獲得できる可能性が非常に高いかのようなスーパースターとして扱われる。

外国にどのような強豪選手がいるのか、ということについては全くというほど触れられることがない。

勝ち目がどれくらいあるか、交戦国の戦力と自国の戦力の客観的な把握もなく、自国の強さや勝利のみを伝えていた戦時中の放送と同じ匂いを感じる。そして、そうした放送に対する異議申し立てがほとんどなされないという点に背筋が冷たくなる。
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by zarathustra1883 | 2010-02-14 20:04 | 今日のひとこと

「政治ブログ」が低調な理由

私は今年はほとんど「政治ブログ」を見なかったが、「きまぐれな日々」のkojitaken氏が、今年はブログに失望させられたと述べている。

思うに、失望せざるを得ないような内容のブログが多い理由があるとすれば、「政治ブログ」を書く一般人は、政策というものを自分で構想したことがない(構想するだけの力がない)からであろう。

データを使いながらそうした作業を自分で行ったことがない人が大部分だから、所詮、「誰の味方をするか」という視点から、「敵」の政策や言論を攻撃することしかできないのである。しかし、特にリベラル系のブログは政権交代によって「自民党」という「敵」を失ったため、明確な攻撃対象がなくなったため、明確な軸がないことが露呈したのだろう。

「政策」に着目していれば、民主党に政権が変わろうが批判する対象は多々あるはずなのに、政策自体よりも現存の政治勢力の誰に味方するか、という視点からしか政治を論じていないから、こういうことになるのであろう。
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by zarathustra1883 | 2009-12-21 19:19 | 今日のひとこと

事業仕分けと新自由主義の親和性

「事業仕分け」で鳩山政権の支持率が上がったというが、これはワイドショー型の政治手法(「わかりやすい」二項対立図式)であるというだけでなく――この図式において省庁の側に逆に同情が集まる場合もあるにせよ――、その「視野(効果)の短期性」、「複雑性への適応不可能性」、「建設的なビジョンの欠如」など、新自由主義との親和性が著しく高いという点について指摘していかなければならない。

ただ、まとまったエントリーを書く時間がないため、メモだけに留めざるを得ない。




余談に近いが、私が良しとする方向性は概ね次のような方向性である。

福祉政策に関しては、ナショナル・ミニマムの保障とそれに必要な財源を増税によって確保することを私は求めるが、民主党政権はナショナル・ミニマムという点に関しては「地方分権」を謳って中央政府による責任を十分保障する姿勢が見えず、また、財源に関してはいつまででも続けることができるものであり、(財源確保を十分確保するという意味では)誤魔化しにすぎない「無駄遣いをなくす」という作業に拘泥して増税を先送りしており、不満がある。増税に関しては不況下ではできるだけ避けるべきではあるが、所得税と法人税の超過累進税率の引き上げ(課税最低限の引下げではなく)であれば、ほとんど問題ないと考える。ワーキングプアなどの層に重課することにはならないから、「平均レベル以上の庶民」と富裕層がそのターゲットだからである。逆に、先に今のうちに税率をあげておかないと、バブル的なものであれ景気回復が生じたとき、税収確保ができなくなるという90年代から00年代にかけての失敗を繰り返すことになる。

また、民主党には経済政策がほとんど欠如している点も懸念材料であり、中長期的には教育などに関しても親への直接的な金銭給付によって行おうとする点は効果に疑問がある。大学までのすべての過程について授業料等の完全無償化や保育所の数を増やしたり、学校の教員の数を増やしてクラスの少人数化を進めるなど行政の公共的な活動なしには不可能な領域に手をつけていくべきであり、政治や行政にしかできないこととして金を優先的に回していくべきだろう。

ワイドショー的な話題づくりよりも先に、こうした地味な問題について有権者に考えさせるだけの材料を与えながら国会での議論を深めてもらいたいものである。
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by zarathustra1883 | 2009-11-24 02:13 | 今日のひとこと

憎しみを超える道

筋妻得に放送されたNHKの「世界遺産への招待状」という番組を録画で見た。コソボが紹介されていたのだが、最後にペチ修道院という修道院を紹介していた際、そこの修道女が言っていたことは極めて意義深いものだったので記録しておきたい。

その修道院では「被害を受けたものばかりを展示したくない」という。

なぜか。「被害にあったものを協調して見せて人の内面の憎しみを暴くべきではない」からだという。

つまり、「心の奥にある憎しみを幾ら明らかにしても、平和には繋がらない」と。

至言である。

争いがあった場合、その被害を受けたものが展示されることはよくある。

被害を受けたものを全く展示しないのは妥当でないと私は考える。それは被害と加害の事実を隠蔽することであり、反省する機会を人々から奪うことになるからである。それは再度の過ちに繋がる道である。

しかし、同時に修道女が述べたように、被害を強調して展示をすることも、展示しないことと同じく妥当ではない。冷静な判断が失われ、憎しみを増幅することになるからである。これもまた再度の過ちに繋がる道である。
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by zarathustra1883 | 2009-11-13 00:18 | 今日のひとこと

最近のワイドショーのネタについて

押尾(お塩)学とか酒井法子の「薬」関係のネタがワイドショーだけでなくニュース番組まで騒がせているようだが、タイミング的に選挙が決まった少し後ってのが胡散臭い。いわゆる無党派層に対して影響があるからだ。政治ネタをワイドショーで流さなくて済ますことによって、彼らの政治(選挙)への関心を低下させ、投票率を下げるという戦略ではないか、と勘繰りたくなる。それによって自公の負け方は相対的に小さくなるだろう。まぁ、民主党が勝ちすぎては困ると考える私の立場からすると必ずしも絶対的に悪いとは言わないが、選挙制度の歪みをこういう更に歪んだ形で調整するとなると、デモクラシーにとって由々しき事態だと言える。

政治家の発言はどんどん右傾化しているし、裁判員制度はプレゼンテーションの「分かりやすさ」が際立っているらしく、法定のあり方が大きく変わったようだが、検察側の方が弁護側よりも組織力がある分だけプレゼンのための準備をする余力があるという話を聞いて、かなり危険なにおいを感じている。いずれにしても明るい未来を展望できる状況ではないことは確かなようだ。
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by zarathustra1883 | 2009-08-10 03:20 | 今日のひとこと

雑なメモ

「地域主権」という言葉が最近たまに目につく。おかしな言葉であるように感じられる。「主権」というものは、最高の権力であって、他からの干渉を受けないという意味での「対外的な独立」という側面を持っているのであるが、一国内での「地域」に「主権」があるとすれば、その地域には日本であれば日本国憲法の法的効力が及ばないというニュアンスを含んでしまいはしないか。行政の問題として、中央政府の指示に従うのではなく、地方の行政府が地域の問題を決めるとか、究極的には地域住民が意思決定するという意味合いで使われていることは分かるが、いかにも胡散臭い概念であることは確かである。


住民に近い政府が決定する方が良いのだということを大阪府の橋本痴事がメルマガで書いていたようだ。(読むに値しないと判断し、きちんと目は通していない。)「地方分権」論者の常套句だが、これは明らかに間違っている。住民の近くにある政府だからと言って、その政府の活動が住民にとって近いとは限らない。実際、われわれの多くは、国会で起こっていることや、国会議員のことを、地方議会で起こっていることや地方議会のこと以上によく知っているはずであり、そこで下される決定などに対しても遥かに敏感に反応している。つまり、物理的には遠い中央政府は、地方政府よりも少なくとも情報や政治的なリアクションを起こすことに関しては「近い」ということになるのではないか。
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by zarathustra1883 | 2009-07-30 01:17 | 今日のひとこと

定額給付金についての覚書

定額給付金は財政政策としては無意味ではないのだが、金額が少ないことが問題である。

新しい買い物ではなく日用品に消えてしまう場合がかなりあるということがしばしば報道されているが、それはその通りであろう。それでも新規の消費に全く繋がらないのではない限り、つまり、少しでも市場での金の流通速度が上がるのであれば意味が全くないとは言えない。

ただ、効果を挙げるためにはもっと金額を増やす必要があるだろう。例えば一人5万円くらいでもよい。一人に対して5万円の給付がなされれば、それを生活費に充てる場合、一ヶ月で全て使い切ることは難しいだろう(もちろん、給料や年金などに一切手をつけないのならば、使い切るだろうが)。こうした給付金は、そのようになって初めて、景気対策としての効果が上がってくるのである。

投入される金額がある閾値を超えると、景気対策としての効果が急激に上がるポイントが――これは一つとは限らない――あるはずである。その閾値以上の金額を給付すれば、景気対策としての意味がそれなりに出てくる。もちろん、お金は他の多くの財と異なり、いくらでも保存がきくという性質があるから、それでもタンス預金や銀行預金として退蔵されることはあるかも知れないが、それでも経済効果はゼロではない。

もちろん、この政策を実行するためには財政的な赤字が一時的に膨らむことが問題だし、後日税金としてこれが回収されることになるのだが、税として徴収を行うにしても、それを回収できるような租税体系になっていないところに問題がある。景気が回復し、企業や労働者にある程度の儲けが出ているときに不況期の歳出拡大を補うことが出来なければならないのだが、日本の税制はそのようになっていない。税率が過度にフラット化している、すなわち累進的な構造になっていないからである。

ちなみに、給付金で金が出ても後で消費税が増額されるから意味がないという類の意見はおかしい。この発想の中には市場が介在していない。冷静な判断を欠く感情的な論であるとしか思えない。

また、少し前にはてブがたくさんつけられていた、あるブログのエントリーで「累進性を高める形での所得税の増税は難しい」という主旨の意見を見たのだが、その根拠は日本の場合、納税者のほとんどが最低税率のブラケットにいるからだという。そのブログ主の考えでは、累進課税を強化してもほんの僅かな人にしか増税にならないというのである。だから、所得税の改革はサラリーマン増税にならざるを得ないとその人は主張していた。

一見もっともらしいが、それは重要な論点が抜けているからである。すなわち、「分離課税を撤廃せよ」という基本的な論点が抜けているのである。高所得者の高所得たる所以である種類の所得は通常の給与所得と分離されて極端に低い税率で課税されているという実態をその人は見ていないように思われる。(累進性を高めろと私が言う場合、当然のこととして、この低い税率が適用されているものを通常の所得と一本化することが含まれている。)これを総合課税に統合してしまえば、上位の税率ブラケットに移行する人の割合はそれなりに増えるのである。

また、「サラリーマン」を狙い撃ちにすることは政治的に不可能であるという理由でサラリーマン増税になるから所得税増税は難しいと思うとそのエントリーには書かれているが、サラリーマンを狙い撃ちにしなくとも、社会保険料控除などの所得控除を廃止縮小するなどの方法でも課税最低限を実質的に引き下げて課税される人の範囲を広げることができるのである。

このように、そのブログで語られていた内容には問題が多いのだが、それでも、そのエントリーを読んで少し参考になったのは、確かに所得税を税制改革の主眼においた場合、給与所得控除は最も狙われやすい位置にあるという論点である。一般庶民は税に対する知識が極めて低いので、いい加減な議論がまかり通る傾向が強いから、「正しい議論」よりも「視聴者≒納税者にとって都合が良いと感覚的に感じられる言説」が受け入れられやすい。これは租税教育をきちんと行っていないことのツケでもある。
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by zarathustra1883 | 2009-03-06 22:09 | 今日のひとこと