ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
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カテゴリ:中国( 20 )

中国共産党が人民に隠したいこと

中国、18分野の報道禁止 グーグル撤退直前に通達

2010年3月25日5時31分

 【北京=峯村健司】中国メディアを管理する共産党中央宣伝部が、人民元の切り上げをめぐる対中批判や食品安全事件など、18分野の報道や独自取材を禁じる通達を報道各社に出していたことがわかった。米インターネット検索最大手のグーグルが中国本土での検索事業の撤退を表明する直前、大衆が不満を募らせる問題の報道を抑え込む異例の通達に踏み切っていた。中国筋が明らかにした。

 通達は劉雲山・共産党中央宣伝部長名で、21日に主要な新聞、テレビ、ラジオ、インターネットニュース各社にファクスで送られた。日曜日にこうした動きがあるのは異例。グーグルが22日に撤退を発表するとの情報を中国当局が事前につかんだため、急きょ通達を出したのだという。

 規制の内容は、2008年の北京五輪の直前に実施された規制を上回る「過去最大規模」(中国メディア幹部)。グーグル問題で米国は中国のネット検閲の中止を求めていたが、こうした敏感な問題で国内の世論を統一し、メディア規制を緩めることはしないという姿勢を明確に示す狙いがあったとみられる。

 劉部長は通達の中で、特に重要な事項として、米国が中国への圧力を強めている人民元の対ドルレート切り上げ問題を挙げた。米議員らによる中国批判の発言などを報じることを禁止。グーグル問題と同様、基本的に新華社通信の記事だけを使うよう定め、評論記事を書く場合は「米国の対応を批判する内容にするように」と強調した。

 このほか対象となった分野は、いずれも庶民が不満を募らせている問題で「報道が過熱すれば当局批判につながりかねない」(党関係者)との危機感がうかがえる。

 大手新聞社関係者は「読者の関心が高い内容がほとんど禁止され、何を報道すればいいのかわからない」と話す。インターネットニュース幹部は「グーグル問題が中国のメディア規制を結果として強めてしまった」とみている。

 中国外務省の秦剛・副報道局長は23日の定例会見で「国家の安全を害する情報を防ぐため、法にのっとったネット管理を緩めることはありえない」と断言している。

    ◇

 〈報道規制の対象〉

■人民元切り上げ問題

■官僚の腐敗

■高額な医療費

■食品安全問題・事件

■新疆ウイグル騒乱

■チベット騒乱

■貧富の格差

■戸籍制度改革

■食用油の価格高騰

■党幹部の人事予想

■大学の自治権拡大

■大学生の就職難

■四川大地震の学校倒壊問題や復興の遅れ

■山西省の不良ワクチン注射事件

■吉林省の製鉄所社長の殴殺事件

■重慶の警察と暴力団の癒着

■不動産価格の上昇と住宅難

■地価高騰をあおる不動産開発業者


報道や言論の自由を統制して隠そうとしているこれらの問題は、調査・報道されると中国共産党が自らの正当性を主張できない問題であると言えよう。
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by zarathustra1883 | 2010-03-26 00:32 | 中国

善は急げ、というけれど…

中国の8月8日入籍組、もう離婚危機 「4割準備不足」

2008年10月25日3時0分

 縁起を担いで北京五輪の開幕日だった8月8日に駆け込みで結婚した多くの新婚夫婦が、早くも離婚を考えていることが、上海の「中国離婚問題研究センター」への相談状況でわかった。センターの明麗・副主任は「深く考えないで結婚した人が多く、半年か1年後に問題が出てくると予想はしていたが、こんなに早いとは……」と驚いている。

 同センターによると、上海では年間約12万組が婚姻届を出しており、1日平均約330組。だが、8月8日にはその平均の約21倍、7189組が婚姻届を出した。ただでさえ中国では数字の「8」は縁起が良いとされるところに、北京五輪開幕が重なり、結婚ラッシュとなった。だが8月8日~10月20日の間に、同センターに離婚の相談をした約千人のうち、8月8日に結婚した人が約400人もいた。

 相談の中には、知り合って1週間後に結婚し、すぐに破綻(はたん)したケースや、米を炊く際に電気炊飯器を使うか鍋で炊くかでけんかとなり、離婚を考えているケースなどがあるという。同センターは、少なくとも4割の夫婦が、心理的な準備がないまま結婚したと分析している。(上海=西村大輔)


以上、asahi.comより。

うーん、ここまで来ると限りなく笑い話だな。

ただ、ここまでヘンテコな状況が起きている社会の背景はどのようなものなのか、考えてみる必要がありそうな気がする。中国共産党や政府が「和諧社会」をスローガンとしていることともリンクしているように思われる。
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by zarathustra1883 | 2008-10-29 01:58 | 中国

カシュガルの旧市街を残せ!

カシュガル旧市街に取り壊し通告 ウイグル族「横暴だ」

2008年8月25日20時14分

 【カシュガル=古谷浩一】中国新疆ウイグル自治区のカシュガルで、ウイグル族が集中する「旧市街(オールド・シティー)」を一斉に取り壊そうとする動きが出ている。北京五輪閉幕にあわせるように24日から25日にかけて、地元当局が都市再開発を理由に、住民代表らに早期立ち退きを求めた。ウイグル族側から反発の声が出ている。

 カシュガルの旧市街は、中国で最大級のモスクと言われるエイティガール寺院の周辺に広がる地域。街北部の高台を占める一画にあり、泥などでつくったウイグル族独特のつくりの家々がひしめく。数万人が住むと言われている。

 複数の住民の話によると、地元当局は「旧市街の建物は老朽化しており危険なので取り壊す」と通告。具体的な立ち退き期限は示されなかったが、「早急に立ち退くように」と求めたという。

 カシュガルの人口は約35万人で、うち約8割がウイグル族を中心とした少数民族。残りの約2割が漢族だ。90年代以降、政府が経済建設に力を入れ始めたことで、漢族の商人や建設関係者らの流入が加速し、街の古い街並みは次々と壊されてきた。旧市街は昔ながらのウイグル族文化が残る限られた場であり、多くの外国人観光客も訪れる。

 当局は50世帯分の住居だけは壊さずに保存すると説明しているという。だが、ウイグル族側は、一方的な取り壊し通告は「民族文化の破壊」が狙いだと反発。靴職人の男性は「五輪閉幕にあわせて出て行けと通告してくるとは。民族感情を無視した横暴な行為だ。国際社会の中国への関心が離れるのを待っての措置としか思えない」と語った。

 カシュガルでは、ウイグル族と漢族との間の結婚が勧められているほか、郊外の農村部でもウイグル族の若い女性を自治区外の都市に出稼ぎに出すことが奨励されている。当局はウイグル族の漢族への同化措置を強めているとウイグル族側は受け止めている。


以上、asahi.comより。

ざけんなって感じだ。

地元の人たち(特に「ウイグル族」の人々)が望んでいることなら、取り壊しを容認する余地がある。しかし、その合意がない中で行われようとしているのだとすれば、それは重大な人権侵害である。また、合意があろうとなかろうと、貴重な文化遺産の破壊行為である。

カシュガルの街は歴史を保存しながら発展させるべきである。中国の都市政策・都市計画は、20世紀後半のイタリアを見習うべきであろう。
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by zarathustra1883 | 2008-08-27 01:10 | 中国

中国はニュージーランドより中核的?

中国、先進国間では初のFTAを調印

ニュージーランドのヘレン・クラーク首相率いる政界、財界代表団の150人が6日、北京に到着した。7日には、中国と先進国の間では最初の自由貿易協定(FTA)である「中国・ニュージーランド自由貿易協定」が調印されることになっている。

両国のFTA交渉は2004年11月から始まり、その後15回の協議を経て最終的な合意に達した。ニュージーランドは先進諸国の中で中国との経済・貿易協力において、3つの「先進国初」を実現した。それは中国とのWTO加盟に関する交渉の完了、中国の市場経済国の地位の承認、中国とのFTA交渉の開始だ。

ニュージーランド側のデータによると、FTA が実施された後、同国の貿易総額は2億2500万ドル増え、関税は1億2000万ドル抑えることができるとしている。また大部分の農産物の関税は2020 年に完全にゼロになり、同国の輸出業者がメリットを受ける。中国企業にとっては、ニュージーランド向けの製品の輸出あるいは同国への投資に関して、優遇関税あるいは内国民待遇を受けることになり輸出コストが低下する。

昨年、中国のニュージーランド向けの主な輸出製品は、電子機器、設備、機械設備、アパレル、家具、玩具、鉄鋼製品で、ニュージーランドの主な中国向け輸出製品は、乳製品、木材、パルプ、その他の製品や羊毛だ。そして2007年の中国とニュージーランドの貿易総額は、77億5000万ニュージーランドドル(約55億9000万米ドル)で、前年に比べて 10.4%の伸び率だった。

ニュージーランドにとって中国は、3番目の貿易パートナー、4番目の輸出相先国、2番目の輸入相手国である。ニュージーランド政府は、FTAが実施された後の20年、ニュージーランドの対中輸出額は 39%伸び、中国のニュージーランドへの輸出額は11%伸びると予測している。

ニュージーランドが先進諸国の中で最初に中国とFTAを結ぶことは、その他の先進国、特に中国に圧力を加えているEUや米国の貿易当局高官に、1つのシグナルを送るという重要な意義もある。

「チャイナネット」2008年4月7日

中国と「先進国」ニュージーランドとのFTAが調印されるという話なんだが、貿易品目を見る限り、中国のほうが中核的であり、ニュージーランドの方が周辺的であるのが興味深い。
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by zarathustra1883 | 2008-04-08 23:20 | 中国

チベット問題が飛び火?

中国・新疆でデモ参加者500人以上逮捕か 台湾報道
2008年03月31日19時30分

 台湾の中央通信社によると、中国新疆ウイグル自治区南部のホータンで3月23、24の両日、住民によるデモ活動があり、公安当局が500人以上を逮捕した。デモは当局に鎮圧されたが、参加者は、これまで当局が拘束したウイグル族への残忍な行為の停止と、政治犯の釈放を求めたという。

 亡命ウイグル人組織の連合体「世界ウイグル会議」が同通信社に同30日、連絡してきた。報道によると、デモには1000人近くが参加し、うち8割が女性だった。中国各地へ出稼ぎに行く若いウイグル族女性の労働、生活環境問題もデモの背景にあったという。


チベット問題の「飛び火」は中国政府が最も恐れる事態だろう。注視する必要がある。

労働や生活環境の問題という点では新疆はかなり大変だろうから、純粋にそうしたものの改善を求めるものだったのかもしれない。しかし、チベットのデモを見て、自分達も「アピールするチャンスだ」と気づいたということもありえないわけではない。
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by zarathustra1883 | 2008-04-02 01:31 | 中国

中国の格差問題について

チベット騒乱は氷山の一角 (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080326/151316/?P=2

張氏によれば、「西部では都市と農村の所得格差が国全体の数字を上回っている。しかも格差は広がるばかりだ」。

 大規模なインフラ整備事業でも、地方を潤すどころか民族間の緊張を悪化させる場合も多い。建設費40億ドルの青蔵鉄道(青海チベット鉄道)がいい例だ。2006年7月の開通後、新たに漢民族の移住者がチベット自治区に押し寄せ、ただでさえ少ない就職口を地元民と争うことになった。

 新疆ウイグル自治区に数十億ドルかけて建設されたパイプラインは、イスラム教徒の居住するこの自治区のガス資源を4000キロ離れた上海などの沿岸都市に送り出すためのものだ。

私も今回のチベットの暴動/騒乱の背景には、青蔵鉄道があると思っている。あれによって確実に「中国本土」との摩擦は強まっただろうから。しかし、中期的には、ここから「トリクル・ダウン」がありうると考えている。もちろん、漢民族が優位の状態は変わらないため、チベット人は従属的な位置に置かれ続けるだろうが、それでも全体として経済的条件は改善されるのではないかと見る。そして、経済生活の水準が時間と共に向上するならば、中国に無理なく取り込まれていくことが可能だと見ているわけだ。以前のエントリーでウォーラーステインの理論を持ち出して言ったことはこのことである。

格差縮小ないし再配分政策としての西部大開発は、西安大開発と揶揄されるように西部でも都市部には大きな恩恵がある反面、西部の田舎にはあまり恩恵がないとされている。相対的な格差で言えばもちろんそうなるだろう。ただ、絶対的な水準自体は改善していないわけではない。(先日放送されたNHKの激流中国でも、かつては小学校までしかいけなかった農村の子供も現在は中学校までは行けるようになっているといわれていた。)

貨幣による交換に基づく経済への依存度が急激に上がると、それに伴う摩擦は起きていると思うし、その制度を補完するものとしての社会保障制度が貧弱であるために、極めて問題は深刻だとはいえるが、それらは他の諸外国もかつて克服してきた道であり、必ずしも楽観ばかりはできないとはいえ、解決するのはそれほど難しい問題ではないとも言えるのではないか、というのが私の見方である。

いずれにせよ、中国の国内の情勢は経済問題も政治問題も注視する必要がある問題である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-30 03:10 | 中国

中国経済はどこへ行く?

本間文という人の「台北発ITの潮流を読む」というコラムの記事「中国南西部の雪害と、外資系製造業の脱・中国」より。
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20080310/295811/?set=bpn

とはいえ、今回の雪害で、深セン・広州地域の製造環境の危うさが露呈したことも確かだ。台湾などの外資系企業の中には、工場をほかの地域に移転させることを検討し始めたところも多いという。

(中略)

 日立製作所やトヨタのように、中心企業の周りに部品製造業が集まり、ひとつの街を形成するケースは日本でも見られる。深センにおけるFOXCONNも、まさにそのパターンだ。工場の敷地内には宿舎はもとより、病院や教育施設も完備され、同社の工場地域にアクセスするための高速道路の出入り口があるほどだ。そのFOXCONNがベトナムに移転するとなれば、多くの部品製造会社も同社とともにベトナムに進出するはず。台湾の大手パソコン製造メーカーもベトナムや、その周辺国への移転を検討し始めている。


先日の韓国企業が中国から「夜逃げ」しているという記事と並んで興味深い。

しかし、短期的にはこの流れはできるかもしれないが、中長期的にはこれが続くかどうかは不透明だ。中国には発展する要因と外資が逃げる要因の両方がある。

中長期的に伸びる要因の一つはこれだ。以下、asahi.comの記事。

サブプライム「中国は影響小さい」 次期世銀副総裁会見
2008年03月16日18時53分

 5月末に世界銀行の上級副総裁兼主任エコノミストに就任する林毅夫・北京大中国経済研究センター主任は北京で記者会見し、サブプライム住宅ローン問題の中国経済への影響について「ないとは言えないが、ほかの国よりかなり小さいと考えている」と述べた。

 中国の金融機関が保有するサブプライム関連証券は「基本的に非常に少ない」とし、対米輸出も「中低価格の生活必需品が主で、経済が悪化しても消費しなければならないものばかりだ」と指摘。「いくぶん減速しても(輸出が)減ることは絶対ない」と強調した。

 世銀での役職は、サマーズ元米財務長官やノーベル経済学賞受賞のスティグリッツ氏らが就いてきたポスト。林氏は中国を含む発展途上国出身者では初めて就任する。


サブプライム問題に発する金融不安によって他の諸国は多かれ少なかれダメージを受けるが、中国は金融が未発達であるがゆえにこのダメージを免れているようだ。これによって相対的なパワーバランスが中国の側に傾いていくということはありうる。中長期的な流れとして。

このほかに、中国の経済環境で気になるのは、例えば、2008年1月1日から施行された新労働契約法などだ。日本が高度成長期に終身雇用を実現したが、中国もそれに近いシステムを整える方向に法整備をした。法人税の外資への優遇もなくなっていくようだし、そうした制度改正がどのように影響していくかが、今後の中国の経済発展の状況に大きく関わってくるだろう。その意味で目が離せない。

ちなみに、新労働契約法に関しては、クーリエ・ジャポンの4月号の富坂聰のコラムがなかなか興味深かった。この問題についてもう少し掘り下げるとき、再度参照できるようにメモしておく。


【追記】

asahi.comより。

中国銀行、損失95億元でも増益
2008年03月25日19時54分

 中国大手国有銀行の中国銀行が25日発表した07年12月期決算は、当期利益が前期比31%増の562億元(約8000億円)となった。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン関連証券への引当金として約95億元(約1350億円)を損失計上したが、純金利収入の増加などで増益となった。

 同行のサブプライム関連証券の保有高は昨年末時点で49.9億ドル(約5000億円)となり、昨年9月末時点の79.5億ドル(約8000億円)から減少した、としている。

 同行のサブプライム関連投資をめぐっては、香港紙が1月、07年第4四半期に巨額の評価損を計上する見通しと報道。これを受けて上海株式市場が大きく値下がりした経緯があり、この日の決算発表が注目されていた。


サブプライムによるダメージは限定的だと言われていたことを裏付けた形か。
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by zarathustra1883 | 2008-03-24 01:29 | 中国

チベット問題への諸政府の対応と雑感

チベットの騒乱、中国経済の影響力を前に西側諸国は沈黙か
2008年 03月 20日 16:31

[ロンドン 19日 ロイター] 中国チベット自治区で起きた騒乱では、西側諸国が中国政府の対応を声高に非難する姿勢はさほど見られず、中国経済の影響力の大きさが暗に示される形になった。

 昨年ミャンマーで起きたデモ弾圧に対する反応とは対照的に、チベット騒乱での中国政府の動きに対しては、西側諸国からの批判の声が非常に弱いと専門家らは指摘している。

 米国の保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のジョン・タシク氏は「ワシントンでは中国を例外扱いにする傾向がある」と指摘。中国の専門家である同氏は「ビルマ(ミャンマー)やスーダン、ウズベキスタンがやれば強く非難することを、中国の場合は知らないふりをしたいのだ」と述べた。

 チベット自治区ラサでのデモ参加者と中国当局との衝突による死者数は、中国当局が13人、チベット亡命政府が約100人と発表している。米国や西側諸国は同騒乱で自制を求めたものの、さらに踏み込んだ強い懸念は表明していない。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの中国の専門家は「中国をめぐる人権侵害を声高に言いたくない雰囲気が各国政府にある」と指摘する。

 2003年から年率10%以上の成長が続く中国は、今や世界4位の経済大国。向こう数十年の間には、米国を抜いて世界最大の経済大国になる可能性もある。

 また、中国は原油や金属など資源確保の動きを世界中で進めており、今年2月に国営の中国アルミが米アルコア(AA.N: 株価, 企業情報, レポート)と共同で、英豪系の資源大手リオ・ティント(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)(RIO.L: 株価, 企業情報, レポート)の株式取得に動いたことも記憶に新しい。

<タイミングと経済的相互依存>

 チベット情勢に関する西側諸国の関心は過去にも高かったとは言えないが、米中間の経済的相互依存が強まっている現在では、これまで以上に西側の「不干渉」姿勢が浮き彫りになっている。

 チベットで今回の騒乱が起きたのは、米政府が信用危機や米ドル下落という問題に直面している微妙な時期。約1兆5000億ドルの外貨準備を保有し、その大部分を米国債で運用している中国が米国債の購入をストップすれば、米ドルは一段と下がる可能性がある。

 昨年12月には、中国の政府系投資ファンドである中国投資公司が、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)などの評価損で多額の損失を出した米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)に対し、総額50億ドルの出資を行っている。

 一方、中国も米国や西側諸国への製品輸出を背景に大幅な貿易黒字を維持しており、その点でも両者は経済的に相互依存している。

 欧州連合(EU)では、ブラウン英首相が1月に中国を訪問した際、中国の政府系ファンドからの投資受け入れに前向きな姿勢を示したほか、サルコジ仏大統領の昨年11月の訪中時には、フランス企業が総額300億ドルの契約をまとめている。

 (ロイター日本語ニュース 原文:Adrian Croft、翻訳:宮井伸明)


レアルポリティークの世界では、このように中国への非難は控えめにならざるをえないだろう。道徳的な善悪は別として。(この問題については、右も左も「道徳で政治を語りすぎ」だと思っている。政治についての発言と言うより市民運動としての発言ならそれでも良いのだが、政治ブログの発言の多くは、草の根の運動というにしては左右共にイデオロギー色が強すぎる。ちなみに、左は共産主義ではなく「人権」という名のイデオロギーである。)

ただ、私はチベットの人々に諸手をあげて支持できない点がある。(一応、ウェブ上で署名はした、つまり、基本的にはチベットの人々を支持・支援したいのだが。)それは、最初に暴力を使ったのはチベットの人々ではないのか?という疑いが拭えないからである。(そうではないのかもしれないが、十分に実態が分からない。)

確かに50年前に中国はチベットを侵略したのは事実だろうが、それは昔のことであり、今回の件について、暴力による抵抗をする前に他に手段はなかったのか?少なくともチベットの人々はパレスチナの人々とは異なった境遇にあるはずであり、合法的ないし、もう少し道義に適ったやり方をとれないことはないのではないか?という思いがあるからである。

オリンピックという世界的な注目が集まる時だからこそ、抵抗を示すことが世界からの関心を集める効果があるのは確かであり、だからこそ今回の事件も起こったのだろうが、もう少しスマートなやり方があるようにも思われてならないのである。中国の侵略は中東ほど勢力が錯綜していないのだから不完全ではあっても解決可能だと思うのだが、安易に暴力に訴える勢力が多いとなれば、それも困難になりそうだ。

いずれにせよ、チベットの今回の問題を語るには情報が少なすぎるというのが最大のネックである。事実を知らないのに「とにかく人権侵害を非難すべし」という気にはなれないのだ。


以下、余談。

基本的に今チベットで起こっていることは、ウォーラーステインの世界システム論で言うインコーポレートであると見ることができる。だとすれば、そのうち取り込みが完成すると見ることができる。確かに、「搾取」される側にチベットの人々は立つだろうが、資本主義「世界経済」という世界システムの中での取り込みではなく、むしろ「世界帝国」的なシステム(単一の政治的統治機構)の中での取り込みだから、再配分もそのうち不十分ながら行なわれるはずである。これは19世紀末頃までにインコーポレートが完了した後、20世紀の中葉に「危険な階級」に対する懐柔策としての「福祉国家」が出現したことと同じとはいえないまでも近い現象である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-24 00:51 | 中国

今後の中国経済の行方は?

asahi.comより。

中国から「夜逃げ」も 韓国企業、3割が撤退検討
2008年03月01日15時30分

 中国に進出している韓国企業の経営環境が人件費急騰などで急速に悪化している。韓国商工会議所が会員企業350社を対象に行った調査によると、約3割が中国からの撤退を検討あるいは準備と回答した。韓国企業が多い山東省では正式な清算手続きを踏まずに「夜逃げ」するケースも増えている。

 2月に行われた同調査によれば、進出企業の約86%が「今後中国の企業環境は悪化する」と回答した。昨年3月の調査で「悪化する」としたのは約33%。過去1年間で悲観的な見方が急速に広がった。

 この背景には中国の労働契約法施行などによる人件費上昇のほか、税制などで外国企業への優遇措置がなくなったことなどが指摘されている。特に対応策が遅れている中小企業の経営悪化が顕著だという。(時事)


今週の新聞記事で一番気になった記事である。

サブプライムや東京のミニバブルなどに見られる金融の不安定な動きと中国の経済がどう連動していくか。
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by zarathustra1883 | 2008-03-08 17:44 | 中国

中国の経済成長

アメリカ発の不況で中国の経済がどう動くかには注目していく必要がある。

今回の世界的不況は、70年代の日本のように成長率は多少鈍るにしても、他の国々よりは高い成長率を維持し、結果として中国の相対的な経済力は高まっていくきっかけになるのではないか。私としては、中国は金融が十分に世界に開放されていないことが幸いする可能性は、結構あるのではないかと見ている。

asahi.comより。

07年の中国GDP、5年連続2けた成長
2008年01月24日11時29分

 中国国家統計局が24日発表した07年の中国の国内総生産(GDP)実質成長率は前年比11.4%となった。成長率が10%を超えるのは03年以来5年連続。名目GDP総額は24兆6619億元(約370兆円)とこの5年間で2倍に拡大、米日独に次ぐ世界第4位を維持した模様だ。過熱を懸念する中国政府は景気引き締め策を強化しているが、08年も10%超の高成長が続くと見込まれている。

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              中国のGDPと成長率

 07年の実質成長率はこの5年間で最も高く、94年以来の伸び。中国政府は成長率を「8%前後」に抑えることを目標としていたが、これを大きく上回った。07年10~12月期の実質成長率は前年同期比11.2%だった。

 07年も、拡大する貿易黒字と旺盛な建設・設備投資が経済成長を引っ張った。07年の貿易黒字額は前年比47.7%増の2622億ドルと過去最高を更新、初めて2000億ドルを突破。06年の74%増からは減速したが、依然高い伸び。人民元の対ドル相場は07年に6.9%上昇したが、輸出は同25.7%増と拡大が続いた。07年の固定資産投資は前年比24.8%増。5年連続で20%を超える高い伸びを示した。消費動向を示す小売総額は同16.8%増だった。

 一方、物価上昇には歯止めがかかっていない。昨年12月の消費者物価の上昇率は前年同月比6.5%で、5カ月連続で6%を超えた。07年通年で4.8%の上昇となり、中国政府が目標とした「3%以内」への抑制は達成できなかった。

 中国共産党・政府はインフレ防止を経済政策運営の最重要課題に掲げ、物価抑制に努めているが、はっきりとした効果は表れていない。

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by zarathustra1883 | 2008-01-25 02:13 | 中国