ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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ドイツの貧困化とグローバル化

「富める国ドイツ」の実態、国民の4分の1が貧困層
2008年03月13日 19:04 発信地:ベルリン/ドイツ

【3月13日 AFP】ドイツといえば、メルセデス・ベンツ(Mercedes Benz)やBMWなどの高級車が高速道路を行き交う豊かな国というイメージがあるが、現在のドイツは100万人以上が生活保護に頼って暮らしているのが実態だ。

 現在、ドイツの失業者数は人口の8.6%を占める360万人にのぼり、失業問題は重要な政策課題の1つとして政治の場でもしばしば取り上げられてきた。一方で、時給わずか3ユーロ(約470円)の美容師や月給(税込み)わずか748ユーロ(約11万7000円)の警備員など、低賃金労働を強いられてきた「ワーキングプア」の問題は長いこと見捨てられたままだった。

 連邦政府の雇用当局によると、生活保護を受ける被雇用者数は2005年は88万人だったが、現在は120万人に増加。その半数は正規雇用者だという。

 こうした事態をうけ、ドイツでは最近になって最低賃金制度の導入の是非についての国民的な議論が巻き起こりつつある。大衆紙「ビルト(Bild)」は、清掃員、店員、ホテルの客室係などの賃金はあまりにも低すぎ「極貧賃金」だとの主張を展開している。

 ドイツ経済研究所(DIW)が今週発表した調査結果によると、ドイツの平均年収1万6000ユーロ(約250万円)の70%未満の年収で生活する貧困層人口は現在、全国民の25%以上に達したという。2000年の貧困層は、労働人口の18.9%にすぎなかった。

 経済協力開発機構(OECD)の調査によると、1995-2005年の間に貧富の差の拡大がみられたのは、欧州ではドイツの他にはポーランドとハンガリーの2か国だけだという。(c)AFP/Arnaud Bouvier


北欧ほどでなくとも「福祉国家」的だとされる西欧でも貧困とワーキングプアの問題は生じている。

ただ、この記事では、ドイツ、ポーランド、ハンガリー以外の欧州では貧富の差が拡大が見られないと言っているが、それは本当だろうか?OECDとしては全体として貧富の差があると結論してはまずいから、酷いところ以外は名指ししなかっただけではないだろうか。

グローバル化の本質は金融グローバル化であり、そこでは国境を自由に越えてもっとも有利な地点を選ぶことができる金融資本の勢力(投資家)は有利な立場に立ち、投資家と同等の自由度は得られない経営者(特に地方の中小企業)、さらにそれよりももっと土地に縛られている(移動の自由度が小さい)労働者は相対的に不利な立場におかれる。

自由度の高い投資家たちはどこに投資するか選ぶ立場に立ち、経営者、労働者と自由度が下がるにつれて自分で相手を選ぶことができず、(投資家から)選ばれなければならない立場に置かれる。当然、経営は「数字のよさ」(経営基盤の強さ)が求められ、労働条件は切り下げられる。

こうして一部の投資家とグローバル企業の経営者は潤い、そこから遠ざかるにつれて多くの人々はより貧しくなる。

但し、地域として安価でそこそこの質である労働力を供給できる地域には資本が投下されるので、それらの地域は世界的には貧しいながらも生活水準は向上する。それがBRICsなどの諸国である。それより賃金が高い地域の労働者の生活水準は基本的に下がる。

グローバル化をやめない限りそれは続く。あるいは、新興の諸国の方が経済力が優位になる(逆転される)まで続く。。。

上記の序列の中に付け加えるべきアクターがある。各国の政府である。

投資家が政府を自らにとって有利になるように利用するのが一般的である。なぜなら、各国政府にとっても自国の領域内からの資本流出は避けなければならず、それはとりもなおさず、投資家に選んでもらうことにほかならず、それは投資家よりも劣位に置かれることを意味する。ここ20年ほどの間に財界や投資家が政府に対する支配力を強めてきたことの理由はここにある。

つまり、金融グローバル化の世界においては大体、次のような序列が成り立つ。

投資家(大口)>グローバル企業の経営者>各国政府>各国国内の企業(経営者)>労働者


日本のリベラルたちが「福祉国家」を求めるとすれば、それは政府以下のランクのものを保護するものとして政府を必要としているからである。一般的に言って、現在、各国の政府は「資本のエージェント」と化している。


この数日後、北海道新聞にも同様の記事が出ていた。

格差拡大、ドイツでも 国際競争激化、賃金カット(03/18 07:55)

 【ウィーン17日石井群也】所得格差の拡大が日本で社会問題化しているが、ドイツでも低所得層が急増していることがベルリンのドイツ経済研究所の調査で明らかになった。国際競争の激化で企業が経営基盤の強化を迫られ、人件費削減を進めていることが背景にあるとみられる。

 同研究所が三月初めに発表した所得階層分析によると、所得税や社会保障費などを除いた手取りの年収が一万千二百-二万四千ユーロ(約百七十五万-三百七十四万円)の中間所得世帯は二〇〇〇年から六年間で、全世帯の62%から54%に減った。

 一方、年収一万千二百ユーロ以下の低所得世帯は19%から25%に急増。増加率は、年収二万四千ユーロ以上の高所得世帯に比べ、三倍以上だった。

 一方、二〇〇〇年に被雇用者の64%を占めた正社員は、〇六年に55%まで減ったことも判明。低所得層の増加は、企業が低賃金の短期契約社員を増やしたことが要因とみられる。

 同研究所は「政治的に解決する必要がある。経済成長に合わせ、賃金も上げる政策が求められている」と指摘している。


上記の図式で「労働者」と一括されている人々も一様ではない。どんどん労働条件は切り下げられている。正規雇用から非正規雇用への切り替えは、まさに弱いものをさらに弱くする方向にほかならない。

こうして生活の困窮化がジワジワと進んでいくことが人々に不安を与える。そうした人々は自分以外の人間を蹴落とそうとする。それが例えば、ドイツやロシアやフランスなどでしばしば見られる排外主義であり、それの日本版こそ、まさしく中国や朝鮮半島に対する嫌悪であり、国内的には各種の差別を強化しようとすること(バックラッシュ)公務員バッシングである。

ちなみに、私が公務員バッシングに対してしばしば強く抗議するのは、こうした認識を背景にしている。しかも、公務員(官僚)こそ上記の図式で言えば、政府が「資本のエージェント化」していく圧力――これは表面的にはネオリベとして現れる――に対してもっとも強く抵抗を示している人々なのである。(先日の橋下「痴事」に反論した大阪府の女性職員なども、そうした一員だと見ることができよう。)

とりわけ中央省庁の官僚は「抵抗勢力」と呼ばれるが、それはまさにこうした流れに抗するものでもある。官僚も単に権益や天下り先を求めて抵抗しているだけではないのである。(直接的な動機は、個々の業務内容――それが担う公共性――に関連する理由がつけられるし、公務員本人も主観的にはそう思っているであろう。彼らは主観的にはグローバル化に抵抗するとか、政府が資本のエージェントになることに抵抗しているとは思っていないだろうが、彼らが正しいと信じて抵抗を示すことは、結局、このような位置づけがなされてよい事柄なのである。)

しかし、個々の公務員を見れば、既にかなり思考がネオリベ化されている人も多い(ように見受けられる)。これはまさに歳出削減圧力の賜物であろう。しかし、私はそういうネオリベ公務員こそ税金泥棒であると考える。なぜなら、彼らは自分の身を守るために税金を住民に還元しないことを志向しているからである。

目先の小さな不正に囚われて大局を見通せていないのが、今の日本の世論・マスコミの大きな問題である。
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by zarathustra1883 | 2008-03-22 00:30 | 世界情勢・外交
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