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ブログ「ツァラトゥストラはこう言っている?」の姉妹編。気になるニュースや雑感・着想のメモ等(エントリーへのリンク付きTBかエキサイトブログのみTB可です。)
by zarathustra1883
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これは「専守防衛」を掲げる政府の行いか?

どこが「専守防衛」なんだか。どうしてもやりたければ、最低でも憲法を変えてからやるのが筋ってものだ。

記事入力 : 2007/07/24 08:20:31
日本の爆弾投下訓練は北朝鮮を想定=NYタイムズ紙(上)

 自衛隊による戦後初の爆弾投下訓練は北朝鮮を狙ったもの、とニューヨーク・タイムズが分析した。

 同紙は23日(現地時間)付の1面と6面に「連日の爆弾洗礼、日本は軍事力抑制から抜け出す」と題した記事で、自衛隊が先月西太平洋の孤島で500ポンド(約227キロ)爆弾を投下する訓練を行ったと報じた。

 同紙によると、これは一見普通の軍事訓練だが、日本としては防衛目的の軍事訓練のみを許容する憲法の規定を越える非常に重大な事件というわけだ。

 とりわけ最新型のF2戦略爆撃機がグアムから240キロ北方の外国の島まで飛んで爆撃訓練を行ったことには「非常に挑発的で意味深いメッセージが込められている」とし、この爆撃機はおそらく北朝鮮のある地点に爆弾を投下して帰還する訓練を行ったものと同紙はみている。

 このような攻撃的軍事訓練に対する心配の声に対して日本は、「爆弾投下は防衛のためのもの」という詭弁(きべん)を展開している。訓練を行った航空自衛隊の司令官は「爆弾投下は常に攻撃を意味するものではない。爆弾は防衛のためにも使用可能だ。われわれはその訓練を重点的に行っている」と奇怪な論理を展開した。

 同紙は軍事的タブーを破り始めた日本の行動について、北東アジアの安全保障の軸を日本に任せようとする米国の戦略的支援によるものと指摘する。最近5年間で自衛隊は米軍の一部のようになり、両国は緊密な軍事関係を維持している。

 日本はインド洋に護衛艦と燃料供給船を待機させ、アフガニスタンの米軍や他国の軍隊を支援している。イラクではクウェートから飛来する米軍とともに、物資運搬の支援を行っている。

 今回の訓練は日本と米国がグアムで行った初めての訓練であり、日本で今後導入が有力視されている最新鋭のF22戦闘機なら、日本の北部からグアムまで2700キロを給油なしに飛行できる。今回の訓練に参加した自衛隊のパイロットは「一気に攻撃できる」として露骨に自慢した。

NEWSIS/朝鮮日報JNS


記事入力 : 2007/07/24 08:21:06
日本の爆弾投下訓練は北朝鮮を想定=NYタイムズ紙(下)

 日本は最近になって米国が輸出を禁じている最新鋭のF22戦闘機導入に強い意欲を示している。F22は、現時点ではステルス性能を持つ完ぺきな戦闘機との評価を受けている。

 ニューヨーク・タイムズは自衛隊について、構成員は24万1000人と周辺国より小規模だが、アジアでは最も精巧な組織と評価しており、400億ドル(約4兆8000億円)に上る防衛費は世界でも5本の指に入ると指摘している。また、国防予算以外で偵察衛星の打ち上げも行っている。

 日本の安倍政権は北朝鮮の脅威と中国の軍事力強化を名分として、最近になって防衛費を2倍に増やし、第2次大戦での従軍慰安婦問題など過去の罪をあいまいにするため、帝国主義軍隊の名声を強化しようとしている、と同紙は報じた。

 マサチューセッツ工科大学で日本問題を研究するサムエルソン教授は、「安倍首相や小泉純一郎前首相のように、伝統的な価値観を特有の歴史的観点から見る政治家たちは、太平洋戦争で日本が犯した過ちはもう問題ではなく、他国のように軍事力を強化しなければならないと考えている」と分析した。

 最も大きな問題は、米国が日本の軍事大国化を積極的に支援しているという事実だ。グアムでの訓練で、日米両国は2週間の空中戦シミュレーションを行い、最終日には西太平洋の孤島に爆撃訓練を敢行して最後を飾った。

 米軍司令官は「今回の訓練は新しい環境でお互いの信頼を強めるのに役立った」と満足感を示した。

 米国の支援で日々軍事力を強化している日本を見詰める韓国人たちの心情は穏やかではない。キム・ソンジュンさん(48)は「従軍慰安婦問題に対する謝罪は拒否し、爆弾投下訓練を防衛のための訓練と言い訳する日本を見ると、本当に心配になってくる。そのような論理を展開するなら、防衛のために北朝鮮を攻撃し、米軍と対立すれば防衛のために第2の真珠湾攻撃もできるということになる」と述べた。

NEWSIS/朝鮮日報JNS


こうした訓練があったということ自体が日本では報道されていない。

偵察衛星を「国防予算以外で」やっているというのも問題だろう。(同様の問題はまだある。)日本のメディアは決して報道しない類の事実だ。

あと、最近話題のF22が2700キロ飛行できるということは、中国の東部にも届くということである。日本政府が近隣諸国の中で最も恐れているのは(目先の北朝鮮ではなく)中国だから、そうしたことも考慮に入れてF22を欲しがっているのだろう。しかし、現時点ではどのように考えても必要ないのだが。(例えば、制空権を確保できないため、台湾にさえ攻め込めない中国が日本に攻めてくるはずがないからな。)

この記事ではアメリカが日本の軍備の増強を進めているという論調で書かれている。確かに世界中に駐留している米軍を縮小して、各地域の軍隊に任せる傾向が続いており、その一環として「日本軍」として自衛隊を使おうという意図があるのは間違いない。それに日本のネオコンが便乗しているのは明らかだ。

しかし、アメリカにはNYTが今回こうした批判的な記事を載せていることからも分かるとおり、日本に対する警戒感を持っている勢力もいるということは合わせて考慮に入れなければならないはずである。いつアメリカの方針が転換されるか分からないし、この数日の間にF22の売却を見送ったように、アメリカが日本に望まない軍備増強もある。

一口で言えば、米軍を補佐・補完する限りでの戦力増強はアメリカも認めるが、それとは無関係な軍備増強は認めない、ということだ。9条改憲を是認し、軍備を持つことを明示するべきだとする人びとのうち、かなりの人は、「軍備を持つことで独立を確保する」という類の幻想を抱いているように見えるが、この事実について彼らはどのように考えるのか?この傾向は未来の話ではなく、既に海上自衛隊などでは現実的な形で進んでいるのだから、「知らない」では済まされない問題なのだが。米軍の補完をするためだけの軍事力が果たして独自の防衛力として機能するかという点も9条改憲派は答えなければならない問題であるはずだ。

私が知る限りでは、そうした点に十分説得力を持って論証した議論は見たことがない。「いざとなればアメリカと戦争しても構わないし、それが可能である」という「現実的な」判断ができない限り、軍事力で独立を確保するなどということは幻想である。そして、この判断が「現実的」なものになるためには、日本の経済力や技術力、さらに天然資源を確保する能力などについて、アメリカを超えていなければならないのではないだろうか?


それから、引用文中で下線を付した「爆弾投下は必ずしも攻撃を意味しない」というタワゴトを許しておくべきではないだろう。爆弾を投下するということは常に人やモノに対する殺傷を意味する。それは常に攻撃である。防御のための攻撃も攻撃である。目的は手段を神聖にしない。

以上、雑駁にメモしておく。
by zarathustra1883 | 2007-07-27 02:22 | 軍事・防衛
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